まさかのいいもの見つけた
昨年末に中深場の釣りで使う中古錘を求めてTBに行った。
錘こそ中古で十分、いつもは山ほどあるのに何故か欲しかった120号も150号も箱は空っぽだった。
折角だからと思い店内をうろうろしていて、まさかのびっくりいいものを見つけてしまった。
何年も前からもう手に入れることはできないと諦めていたビシ天。
写真のようにビシと天秤が一体化したもので、何と呼んだらいいのかわからないので五目漁師が勝手にビシ天と呼んでいる。
かつて福浦の貸しボート屋さん(エトーボート)に通い始めた頃(もう20年以上も前)はあの坂道の上にあった駐車場を管理されていたご主人からこれを買うことができた。
実は、このご主人はある工場の経営者でもあり釣り師でもあった。
五目漁師や他の皆さんが釣れない時でもいつもいつもクーラーボックスをイサキや真鯛、メジナなどで一杯にされて浜に戻って来られた。
五目漁師がご本人からビシ天を勧められて使い始めたのは通い始めてだいぶたってからだったが、初めて購入した時には使い方を隣のボートから直々に教わったことを覚えている。
我々がよく使うビシは上下に開き具合が調節できる窓が付いている。
上下の窓をどれくらい開けるかは釣り師それぞれ、もちろん狙い魚や釣り方によって変えることもあろうが、下窓は全閉して上の窓でコマセの出方を調節する釣り師は多いと思う。
この場合は、竿をシャクリ上げ、そして止めた時に穂先がお辞儀しビシが少し下がるタイミングで上窓から花が咲く様にフワッとコマセが放出される。
あとは潮に乗りながら拡散していくコマセをイメージしながらそこに仕掛けを入れていく。
あるいは、仕掛けがあるところにコマセを放出するという言い方もできるが、何れにしてもコマセと仕掛けの同調がビシ釣りでは釣果を左右する重要な要素になる。
釣り師にとってはこの同調がなかなか難しい。
放出され漂うコマセも仕掛けも見えるわけではないので潮流やシャクリのストロークをイメージしながら理屈で同調させるのも良し、直感もよし、適当も良し。
何れにしても実際にどうなっているのかはわからないので結果は釣果で判断することになる。
さて、ビシ天の使い方はちょっと違う。
このビシには海水を取り込む小さめの上窓はあるが開き方は調整できず固定窓になっている。
そして下窓を出したいコマセの量に応じて開閉する。
下窓を適当に開けた状態〈アミコマセなら普通は5mmほど〉で穂先を海面すれすれまで下げて穂先が跳ねない程度の柔らかめ、長めの竿でスーッとゆっくり頭上迄上げて止める。
これで上窓から取り込まれた海水が流水となって下窓からコマセを流し出す。
アミコマセはまるで藤棚に垂れる藤の1房の様に柱状に放出される。
ここがミソでこの時、天秤部分はビシの真下で直線になり、続いいて仕掛けも一直線にになって藤の房の中を通り抜けることになる。
つまり、コマセと仕掛けの完全同調が保証される。
頭上で少し(数秒)待った後は、リールの巻き上げで仕掛けの位置を保ったまま穂先を海面までゆっくりと戻し、上記の動作を数回(狙い棚の分だけ)繰り返す。
アジやカイワリのようにコマセに突っ込んでくる魚も、少し遠巻きに見ながら所詮は突っ込んでくるイサキなども、穂先が釣り師の頭上で止まった瞬間に飛びついてくることが多い。
これがビシ天釣法ということになるが、今なら例えば吉見製作所の夢天でこれに近い釣法が可能になると思っている。
欠点もある。
落下中には形状記憶合金製の直線部がUの字に曲がり、所謂天秤の役目を果たすとは言え、あまり速い上下運動には向かない。
頻繁なシャクリやストロークの短いシャクリでは同調効果が活かせず仕掛けが絡みやすいので上記のセットの1往復か2往復程度でコマセを使い切った方が良い。
深度方向に大きく探るので釣り棚を指定される遊漁船の釣りには適していないと思う。
手元に2つ持っていたが、フグ野郎に切り落とされたりすると2度と手に入れることができないのでこわくて最近では滅多にしか使うことがなかったが、今回程度の良いものを2つ手に入れたことで今年はこれを使って伊東のカイワリやハナダイ、大津のアジ、川奈のイサキ釣りなどをやってみようと楽しみにしている。
油壷にて、全てビシ天を使った釣果
伊東にて、後半にはビシ天に切替えてアタリのタイミングを楽しんだ。
何れもビシ天をよく使ったもう10年も前の釣果であるが、このビシ天を考案し製作されていたご主人は数年前に病気でお亡くなりになった。
特許登録までされて何度も試作されたご様子で、購入する度に改良のあとが見えたほどだった。
五目漁師と同様に使っておられた方が手放されたのか、あるいはご家族の方が工場などに残っていたものを始末されたのかはわからないが、TBの中古ビシの山の中に複数個が埋もれていた。
大概の方は見たことがない、しかも無名のビシなので飛びつくことはなく、箱の中で邪魔者扱いされながら五目漁師を待ってくれていたのは幸運だった。
さて、これは前回釣ったハタの蕪蒸し。
同様にハタのローズマリーマリネ焼き、
そして、少し大きめのハタやカサゴ、マダイなどが釣れた時の我が家の定番昼茶漬け。
これが一番美味いかも。
こう寒いと、外に出るのに勇気がいりますね。
思い切って浮かんでしまうと思っていたほど寒くないのですが。
思うに、手漕ぎボートは海面すれすれですから海面から熱をいただいているのかもしれません。
次回はアマダイとかがいいのではと思ったりしています。
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