天気予報に関する朗報
既にご存知で利用されている釣り師も多いと思うが、五目漁師が気付いたのは昨年の9月ごろだっただろうか。
少し出遅れてしまったことを残念に思いながら調べてみると、その数か月前から始まっていたことがわかった。
天気予報で人気のWindyに気象庁のメソモデル(MSM)が取り込まれていたのだ。
(ご存知の方はパスして下さい)
Windyではデフォルトで欧州中期天気予報センターが提供するECMWFに基づく各種の天気情報がグラフィック表示されている。
他に、米国海洋大気庁が提供するGFSやドイツDWDのアイコンなども選択できる。
更に、相互の予報比較もできるようになっている。
ここに、日本の気象庁が提供するMSMが加わったというわけだ。
何が朗報なのか?
以前、3回にわたって天気予報のよもやま話(その1、その2、その3)を記事にしたことがある。
その時にも記したようにこれらの予報は実は、天気予報としての最終成果ではなくスーパーコンピュータがたたき出した所謂天気予報の元になる格子点情報(GPV:Grid Point Value)に他ならない。
スパコンは地球上(上層の大気も含む)を3次元の格子(下図のようにジャングルジムで地球表面と大気を覆ったようなもの)に区切って初期値(現在値)で与えられた各格子点の気象情報を周囲の格子点情報と関連させながらこの先どうなるかを計算し、チクチクと書き換えていく。
出展:気象庁ホームページ、知識・解説、数値予報とは
言わずもがな、格子間隔が狭いほど予報は正確になるだろう。
この格子間隔はECMWFでは現在9km、GFSでは22km、そしてMSMは5kmだ。
因みに前2者は地球上の全領域(もちろん海域も含む)を対象にした格子点予報、一方MSMは日本周辺だけに限った格子点予報である。
もちろん、気象庁も全世界を対象にした全球モデル(GSM)を運用しているが、その格子間隔は現在13km(2023年3月に20kmから13kmに高精度化)となっている。
格子間隔を狭くすればより正確になるということであれば、どんどん狭くすればよいのにと思うが、地球全体を上層の空気も含めて10数kmの格子に区切った結果の膨大な格子点情報を逐一計算しながら時間を進めるには、現在のスパコンを駆使してもこれ位が限界ということであろう。
格子間隔を狭めることによって計算時間が指数関数的(例えば、格子間隔を1/2にすると計算量は少なくとも8倍)に増大し、下手をすると計算結果が出たころには現実の時刻はもっと先に進んでしまっているという、過去天気予報になってしまう。
MSMは予報対象を日本の周囲のみに限定することによって格子数を減らし、格子間隔5kmを実現している。
言わば、身を削って精度を上げているわけであるが、それでもって予報精度が改善されるなら関東圏、ましては日本の海域から出て釣りをすることなどない我々にとっては十分に嬉しい話だ。
OK、OK大歓迎、というのが先の朗報ということになる。
気象庁は更に領域を限定したLSM局地モデル(SCWにて発表)も運用しているが、ここ迄限定してしまうと(格子間隔を短くするとそれに伴ってどれほど先迄予報するかという有意な予報時間も短くなってしまうことも含めて)我々釣り師にとっても実用面で物足りなさを感じてしまう。
さて、この素晴らしいMSMをWindyで見てみよう。
(その前にお断り)Windyでは提供される全ての情報が著作権上コピーして貼り付けることが禁止になっている。
こんなへなちょこなブログがそんなことなどクソ真面目に考えなくてもと言われるかもしれないが、ここは五目漁師流にきっちりとしておきたいので説明が文字のみになってしまうのは我慢我慢。
この観点では税金で運用しているからだろうか、気象庁のHPは寛容で素晴らしい。
全ての画面コピーが可能でブログに貼り付けもOK、訳などを明記すれば加工して利用することさえも許容されている。
悪意がなければ多少なれど宣伝にもなるしそれでよいと思うのだが。
五目漁師は(コピー&ペーストさえやらせてくれないのでケッタクソが悪く)Windyの有料のプレミアム会員にはなっていないが、無料のWindy(PC版)を開くと、多分デフォルトになっていると思うがECMWFの素晴らしい風マップがグラフィック表示される。
そこで画面右下のECMWFボタンの隣にあるMSMボタンをクリックするとMSMの画面が表示される。
既に調べたい位置を表示している画面なら最下段にあるMSMボタンをクリックすればよい。
スマホの場合は目的地の風予報を表示した後にデフォルト表示されている最下段のECMWFをクリックすると表示されるいくつかの予報からMSMを選択すればよい。
さてここで、現在時刻の予報から右にスクロールしながら予報をチェックしていくと3日目(72時間程度)のところで縦線が引かれ、これ以降はECMWF予報に変わるとの断りがある。
気象庁の生真面目さの表れかどうかわからないが、これ以上はあまり予報の信頼性がないのでここまでにして下さいということなのかもしれない。
実はMSMの予報は、これも人気があるGPV気象予報で従来から発表されているが、GPV気象予報の場合は予報時間が最大39時間(詳細モード)、同じ情報源であるがこれが72時間まで延長されたのがWindyのMSMということになる。
予報時間が先になればなるほど精度が悪くなってくるのは当然のことと理解しているが、従来の39時間ではなかなか釣り予定が立てにくかったので五目漁師としては大歓迎。
更に、GPV気象予報とのもうひとつの大きな違いは、GPV気象予報が矢印によるグラフィック表示だけだがWindyではグラフィック表示に加えて数字表示があること。
数字で表示されていることによってイメージよりも正確に記憶にとどめることができる。
最後にMSMの地図の縮尺率をどんどん上げていく(絵を小さくする)と最後には日本列島と朝鮮半島を含んだ正方形部分だけがカラー表示される。
これが先の地域を限定した結果であり、良く言えば精度アップの証とも言える。
世界中をくまなく予報領域に入れているECMFWやGFSに比べてどうだろう。
世界を網羅する地図が極東の片隅に、しかも関東や東海地方のそのまた片隅にある伊東や大津の海の天気予報なんて・・・と五目漁師なら思ってしまう。
最初に記したように、あるいは先のGPV天気情報にも記されている通りこれらはあくまでコンピュータがたたき出した生の格子点情報であり、これを基に各予報会社が釣り場の天気予報などと称して加工して発表することになる。
ここでは格子点情報から漏れてしまった地勢の考慮や、季節、あるいは日々によって変わる地域特有の特質などが加味されていることになるが、問題はそれが適切かどうかであろう。
生身のGPV予報をチェックするも良し、釣り場に特化した(と称する)天気予報をチェックするもよし、五目漁師は次の釣りの日取りと場所が決まれば数日前から複数の予報を書き留めて変化の様子なども含めてチェックするようにしている。
暇だからね。命も賭かっているし。
壊れた魚探の代わりが大体決まりました。 それはいいのですが、長年かけてマーキングしてきたマイポイントが全て消えてしまいました。再構築ですね。 新しい魚探で次は大津にしようかな? 網代の中深場リベンジもあるし・・・といろいろ考えている間に時間があるので以前からその内にと思っていたこんな記事を書きました。少しでもお役に立てばよいのですが、私はこれを知ってからは専らMSMを中心に予報をチェックしています。ECMFWに比べると釣り師びいき?の予報のような感じがしています。
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