狙いはカイワリだったが
3月28日は伊東(井上丸)に釣行。
その前日には富士宮方面にソメイヨシノよりも少し開花時期が早い枝垂れ桜の撮影に行っている。
2023年の平均気温が平年に比べるとなんと1.3℃近くも高かったらしい。
その表れなのか、当初は桜の開花も相当に早いと予想されていたが、ここに来て比較的寒い日が続き、まだしっかりとつぼんでいる。
枝垂れ桜もやっぱり未だ早く、いい写真は撮れなかった。
まだ、7分咲き程度の枝垂れ桜
撮影は諦めながら天気予報をチェックしていると、雨模様のために遠慮していた明日(28日)の予報が良くなり釣り日和ではないか。
願ってもない予報の変化が凶と出るか吉と出るかはわからないが、この機会を逃すとしばらくまた悶々とした日が続きそうなので慌てて現地からボートを予約した。
もちろん狙いはカイワリ。
今シーズンは既に(他のお客さんの)何度かの大釣りがあったが、その後またしぼんでいるので半信半疑ではあるが、帰る頃にはクーラーボックスがカイワリでパンパンになっているイメージはある。
さて、その一投目、いつもの様に様子見の標準仕掛け(ハリス3号、金チヌ4号2本針、2.5m)を入れる。
しかしシャクってもシャクってもアタリはなく、餌は付いたまま上がってくるか千切れそうになって不味そうにぶら下がっている。
魚探を見る限り確かに魚は居る。
また例の居ても釣れないあれであろうか。
なんだ結局、凶と出たか!
ふと水温計を見るとなんと驚きの14.7℃。
数週間前には既にカイワリのXデーの期待が持てる17℃を上回っていたのに、これでは正に伊東としての真冬の水温に戻ったと言える。
これでは釣れないわなぁ、
と最初に桜の話をしたのは桜も天気の変化でここに来て遅れてますよ、とこの言い訳に結びつけるためでもあった。
ここからは標準仕掛けに替えて細ハリス、小型針、ロングハリス、早シャクリ、逆に置き竿、ビシ天の使用・・・、とこんなこともあろうかと準備してきた色んな仕掛けや誘いなどありとあらゆる方法を試してみるが、まともに相手にはしてくれない。
面白いことに(いやいや全く面白くはないことに)仕掛けを変えたり、誘いを変えたりすると時にポツリと掛かってくれる。
よし、これか! と思いきや同じことの2度目は続かない。
10時ころまでに手元バラシを含めて掛かってくれたのは5尾。
それでもなんとかここまで我慢ができたのはフグが比較的少なかったためであったが、次第に手に負えなくなってくる。
元々、勝てないとわかっているフグに対してそんなに頑張るつもりはなかったので、多くは持参していなかった替え針は既になくなってしまっている。
あとは7、8組ある仕掛けごと替えるしかないが、とうとう2本針の同時切れが2連続したのを機に少し沖側にポイント移動する。
因みに直ぐ隣で並んで釣っておられた同じ井上丸のボートは一足先に見切りをつけて既に少し沖に移動されている。
移動先ではフグは少なくなったが、カイワリも居なくなったようだ。
駄目か、諦め加減にゆっくりとシャクリ上げている時に久しぶりのアタリ。
少し様子が違うようだがどうせフグだろうと覗き込むと、ヒラヒラと見えて来た魚体が白い。
やったね、アマダイ(30cm)だ。
伊東ではコマセ釣りでたまにアマダイが掛かってくることがあるが、これ1尾で場所替えの甲斐はあったと嬉しい。
すると、少し間をおいて今度は穂先を抑え込むようなアタリ。
今度こそでかフグだろう、いや違うかも・・・。
覗き込むとまた白い。
カイワリにしてはでか過ぎるが、いよいよ30cm超かな?
先に貴重な2尾を手元でポッチャンしているので慎重にタモを手元に確認する。
無事に入ったのはまたしてもアマダイ、しかも良型(38cm)だ。
最近はルアーの流し釣りで彼を狙っていたが一向に音沙汰がなかったのにアンカリングのコマセ釣り、しかもシャクリ上げていたので、結構棚は高かったと思う。
わけは分からないが結果オーライ、こんな立派なアマダイは久しぶりなのでカイワリ以上に嬉しい。
この後はたまのフグ以外には、また静かになってしまう。
実は、今日こそはコマセ釣りに徹底しようと決めてきたが、何か事があればと念のためにタイラバ(ビンビンモドキ)の準備はして来た。
釣れない他に何も事はないが、未だ1時間ちょいはできそうなのでとうとう辛抱しきれずにタイラバに切り替える。
狙いはそろそろの乗っ込みマダイ。
この時期の真鯛は結構上方まで浮いていることが多いので20回転くらい(いつもは10回転)までゆっくりと巻き巻きしてくるが一向にアタリの素振りはない。
時間もないのでボート乗り場に向かいながら根際を狙ってビンビンモドキを巻き上げていると水深の半分以上も巻いた高い棚で、おやっ? と思う根掛かりのようなアタリ。
上がってきたのは最近やけに五目漁師の釣果に加わってくれることが多いアオハタ(35cm)。
我が家では食味の点では鯛に勝るハタ。
これでカイワリ不調の悶々とした気持ちも少しは晴れる。
福浦や伊東でハタが多くなってきたころはオオモンハタが多かったが、最近になってアオハタが多くなった気がしている。
ハタの仲間の中でも最も活動的と言われるオオモンハタはベイトの中にルアーを入れると釣れることがよくあるが、アオハタもこんなに上まで獲物を追ってくることがあるようだ。
今回は駄目かと、もう諦めかけていたビンビンモドキ、五目漁師にとっては手放せないルアーになりつつある。
で、今日の釣果はこれ。
カイワリが釣れなかったのは残念だが、30匹以上もカイワリばかりなら自宅に戻った時には悩ましくなってくる。
これで良かったかなと慰める。
釣った日は簡単なカイワリの漬け丼。
で、次の日にはヨメサンガ熱っぽいというのでお一人様用の刺身盛りとアマダイの松笠揚げ。
この時期にきてあれほど急な水温の低下に驚きカイワリ追いのKさんに連絡したところ、既にご存知で再上昇を待機中とのこと。マクロには公式の海水面温度情報、伊東近辺のミクロな情報は遊漁船からの情報を常にチェックされているとのこと。流石ですね。ボート店のお兄さんの話では数日前に台風並みに荒れたことがあるらしい。折角暖まりかけた海面近くの海水が深いところの海水と一緒に搔き回されて一時的に下がっているのでしょうかね。
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釣り人の観点では紆余曲折ありつつも、釣果は見事な高級魚テンコ盛りでおめでとうございます。表面の海水温が下がると海の中はどれくらい下がるものなのでしょうか。海底付近はそれほど温度変化がないとしても、人間の行動で考えれば前日より少しでも温度が下がれば動きたくなくなるので、魚もそんな感じかもしれないですね。実は私も前回観音崎に釣行した際にあまりにも魚の活性が低くて魚探を見ると10.7度しかありませんでした。
投稿: paiatown2013 | 2024年3月31日 (日) 21時08分
paiatown2013 さん、こんばんは。
気象庁の解説(表面混合層)によると夏季は数10m、冬季は100m程度は深さ方向に対してあまり水温は変らないようですよ。また、台風や嵐で海水がかき回されると一時的に混合層の温度が低くなるようです。
年間の海水温の変化と陸上の温度変化の範囲からして魚にとっての1℃の変化は我々の4、5倍以上に感じるとも言われているようです。
東京湾の魚は低温に慣れているようですが、やはり変化には弱いのではないでしょうか。
投稿: 五目漁師 | 2024年4月 1日 (月) 00時19分
『魚にとっての1℃の変化は我々の4、5倍以上に感じるとも言われ』
そんなに影響が大きいのですね。何もなければ海水温は変化しないものの、少しでもかき混ぜられたり、雨水が流れ込んだりしたら一気に食いが渋るのも納得です。ありがとうございます。
投稿: paiatown2013 | 2024年4月 1日 (月) 23時25分
paiatown2013さん、こんばんは。
陸の気温は一年を通して40℃近くも変化する一方、海水の温度は深さにもよりますがその1/4~1/5くらいしか変化しないからということなのでしょうね。
本当のことは魚に聞いてみないとわからないですよね。
東京湾は狭い湾内に大きな川がいくつも流れ出していますので、雨による濁りの影響も大きそうですね。
明日以外はずっと雨模様が続きますね。
そろそろ良い時期に入ってきましたので出掛けたいのですが、次はいつになることやらです。
投稿: 五目漁師 | 2024年4月 2日 (火) 00時11分
こんにちは。
海水も当然ながら大気の影響を受けるとは思いますが、良く言う「海の中の季節の流れは地上より1ヶ月遅れる」を考えると相当に寒かったのでしょうね。
この時期は何よりもカイワリ釣りたくなりますね。しかしフグがだんだん長居する時間が増えているような気がしますね。寒さに強い個体が増えてきているのでしょうか。
やっと山のシーズンも終わりに近づきそろそろ海に出かけようかと思っております。
投稿: まっく | 2024年4月 4日 (木) 15時59分
まっくさん、こんばんは。
今日はまたまた伊東でした。
後で記事にしますが、またカイワリ貧家、フグ多しのダメダメの釣りでした。
フグはとうとう伊東で越冬してしまいました。 どうやら年中釣りの邪魔をするようですよ。
次回は久しぶりに網代を予定しています。
お声掛けしますのでタイミングが合えばお付き合いよろしくお願いします。
投稿: 五目漁師 | 2024年4月 4日 (木) 22時31分