カイワリ釣りは面白い
4月13日は伊東(井上丸)に釣行。
北東が吹いたり南寄りが吹いたり、朝は良いと思っても昼からは吹きまくったりと、365日連休の五目漁師でさえ気持ちよく海に出られる日はそうやすやすとはない。
予報をチェックしながら、この日行かなければ、あとはまたいつになるかわからないと思いながら出掛ける。
しかし、5時半に現地に到着すると北東風の煽りでところどころウサギが飛んでいる。
7時まで待ってみます、いや8時まで待ってみます、いやもう少し待ってみますと恨めしそうに海上を見ながら待機が続く。
井上丸のご主人もなんとかしたいとの表情がありありで、何度も海上をチェックしてくれる。
その甲斐もあってかやっと9時前に少し風波が残る中を岸払いすることができた。
さて、雨こそないが海上がざわつく日こそカイワリ日和、とよく聞くので期待が膨らむ。
へそ曲がりのカイワリとの勝負に備えて今日は考えられる仕掛け(釣り味が好きではないサビキ仕掛けを除いて)は全て準備してきた。
もちろん、フグには勝てなくともなんとか我慢はできる対策仕掛けも含めて。
上段左から
標準仕掛け:2.5m3号2本針3セット、
Kさんの内緒仕掛け:バリエーションを含み4セット、
五目仕掛け:6m3本針、
長さの違う2号細仕掛け:4セット、
ロング仕掛け:3号6mなど2セット、
フグ対策餌仕掛け:3号3m2本針2セット、
フグ対策3号ウイリー:3本針3セット、
フグ対策用替え針:20本セット)
先ずは、いつものごとくハリス3号、チヌ針4号、2.5m2本針のパイロット(標準)仕掛けを入れる。
しかし、シャクっても、置いても餌は一向になくならない。
もう11時前になってしまった。
そうだ、あれをやってみよう。
実は、先日このポイントでカイワリとおまけに大マダイ(58cm)も上げられたKさんから、その時使われた内緒の仕掛けをお聞きし、同じものと効果を比較確認するためにそのバリエーションを準備してきた。
先ずは同じものから始めよう。
するとびっくり、いきなりもたれアタリがあり今日始めて魚が掛かる。
なんと、予想外のアオハタだ。
カイワリではなかったが一度も餌さえなくならなかったのに・・・。
そして、しばらくすると今度は強烈な引き。
ハリスが細いだけに祈るような気持ちで上げてくるとハナダイ。
なんだKさんが、同じハリスで上げられた大マダイに比べると上がって当たり前だわな。
本当はカイワリが欲しいんだがな、と思っているとまた直ぐにアタリ。
グイーングイーンと正にカイワリの心地よい引き。
とうとうカイワリ。
アタリはまだ続く、次は今や伊東名物になったデカイトヨリをやっぱりマダイと勘違いしながらヒヤヒヤもので上げてくる。
うーん、この仕掛け凄いと思った矢先だった。
とうとうフグにエダスを切られてしまう。
実は、投入の際に先ほどまで真下に落ちていた付けエサのオキアミが、今は岸に向かって流れていくことに気付いていたので、ここにきて急に釣れ始めたのは潮変わりのためかもしれないという考えもあった。
そこであえて同じK仕様の仕掛けには交換はせずに、効果を確認するために元の標準仕掛けに戻す。
するとどうだろう、不思議なほどにアタリが止まってしまった。
うーむ、これはいつも使っているカイワリ釣りの標準仕掛け、これはないはずなんだけどなぁ?
なんて思いながら、
昔、五目漁師が勝手にマジシャンMと呼ばさせてもらっていた釣り師、人の2倍どころか3倍、4倍もカイワリを釣る手釣り名人の釣り姿を思い出す。
当然のことながら、今までことある毎に真似はしているがなかなかうまくいった試しがない。
今日は岸払いするのが遅くなったためにコマセが余ってしまいそうだ。
コマセを多く使う釣り方だけど竿でなんとかあの真似事ができないだろうか。
ビシが着底したら、仕掛けがなじむのをしばらく待って、力強く2、3メーターシャクリ上げて一旦待つ、更に2、3mシャクリ上げて待つ、釣れなければもう一度同じことを繰り返し、そこで駄目なら仕掛けを回収する。
しかしマジシャンの釣りではここで大概カイワリが釣れてしまう。
あの芸術的ともいえるシャクリスタイルは真似ができないが、海底でステン缶からコマセが出る様子、仕掛けがコマセの中を漂う動きをイメージしてやってみよう。
まるで高速1ピッチ1ジャークのジギングの様にビシが沈むピッチに合わせて竿をシャクりまくる。
ピッチの間隔を間違って穂先ガイドに道糸を絡ませたりすると間違いなく穂先を折ってしまいそうでヒヤヒヤしながら。
するとどうだろう、今まで海底に薄くしか見えていなかった魚影が急に魚探の画面の右から立ち上がって左に流れ始める。
どうやら今日の群れにとってはコマセの量が足りなかったようだ。
1回目のシャクリ上げはコマセでカイワリを寄せてここまで。
そして、2回目は濃くなった魚影を見届けてもう一度その中に仕掛けを落とし、今度は掛けにいくフェーズだ。
この時も、ゆっくりでは決して食ってこない。
まるでコマセに寄ったカイワリが、ここで食わないとまた餌が直ぐになくなってしまうと慌ててしまうように高速でシャクリ上げる。
食ってくるのはこの時か最後の止めの瞬間が殆どだった。
ここからは怒涛の入れ食いが続く。
今度こそ30cm超えかと思った今日1の大物は、またしてもクーラーボックスの中で縮んでしまった(28.5cm)。
カツオ風味のアカタンにも食ってくる。
ピーク時には共に良型のカイワリの2匹掛けが4連続で続いた。
こんな時にも、試しにこのスタイルをやめていつもの比較的緩やかにシャクって待つ・・をやると餌もなくならない状況に戻ってしまう。
基本、カイワリのご機嫌次第ではあるが、いつもこの仕掛けやこの釣り方が有効なわけではないところがカイワリ釣りの面白いところ。
ただ、この時期になると伊東の海底には必ずカイワリやハナダイが群がっていると信じてなんとか食って頂く工夫が必要なことは間違いがなさそうだ。
心配のサバはこの日は姿がなかった、フグは一度エダスを切られたのと1匹だけ釣り上げた。
なんと3本の針を唇に持つフグ。
右のハリスの付いている針が五目漁師のもの、真ん中の針は仕掛け作りの不良だろうかチモトでスッポ抜け、左はチモト部で切られている。
強敵のフグも刺さった針を抜くことまではできないようだ。
で、今日の釣果はこれ。
カイワリ、ハタ、ハナダイの釣った日刺身。
次の日の昼ごはんはカイワリのタタキ丼、
そして夕食に旬のタケノコを使った鯛めし。
カイワリのひすい和え、
ハタやハナダイのから揚げレモンソース。
釣れ始めたのは11時前、14時前には止まってしまった。波の収まるのを待って出たが、予定通り出ていたとしても同じだったかもしれません。
この時期になるとオーシャンのオヤジさんが毎年裏山から採ってきたタケノコをくれました。残念。
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五目さーん!こんばんは。
昨日の井上丸さんの釣果ブログを見て「やられた」という思いと「羨ましい」の思いで一杯です。私が出られる土曜日はことごとくNGで作りだめする仕掛けだけが増えていきます(笑)
来週、再来週と野暮用が入っているので今シーズンは指を咥えて皆様の釣果を眺めているだけで終わってしまいそうです(苦笑)
私もオヤジさんから2〜3本もらうタケノコは煮付け&メンマにしていました。懐かしく思います。
投稿: サビキ小僧 | 2023年4月14日 (金) 23時01分
サビキさん、こんばんは。
私は待ちましたが、もう朝の時合いは終わったのでと
帰られた方もいました。
分からないもんですね。時合いは11時から1時半くらいまででした。
5月に入るとサバ、その後はソウダ、フグと続きます。
なんとか4月中に時間を作りたいですね。
Kさんもおっしゃっていましたが、サビキさんのお好きな大マダイも
今ならカイワリポイント周りをうろうろしてそうだと。
投稿: 五目漁師 | 2023年4月15日 (土) 02時25分
おはようございます。
例の仕掛け効果ありましたかね、まだまだ検証の余地はありそうですが、次回周りにボートがいる時に結果を見てみます。
それにしても今回の五目さんのブログはカイワリ釣りの面白味がよく伝わって良かったです。
あの試行錯誤のプロセスがあって、自分の思ったイメージで釣れた時がたまらないですよね。
自分も思い返すと前回は五目さんのようなやり方で釣ってたような気がします。魚探には反応無くてもコマセを撒いていると、アタリが出て来るような感じでした。
やっぱりこの時期はタケノコですよね。
自分も2周連続で貰って、帰りの荷物が重かったことを思い出します。
投稿: K | 2023年4月15日 (土) 07時00分
Kさん、おはようございます。
あの仕掛けで突然無が有になりました。
驚きましたよ。
信じられず、念のためにいつもの仕掛けに戻すとまた無に戻る。
ただ、この仕掛けでも釣れていたはずと思いいろいろやってみた結果でした。
前回もそうでしたが、何か新しいもの(仕掛けや釣り方)を見せるといいのかなという気もしています。
昨日は皆さん釣っていらっしゃいますし、良い時であることは確かですね。
サバやフグが居ない海は釣っては嬉しいし、釣れなくてもこうして勝負するのが楽しいですね。
そうそう、この日は夢中になりすぎて弁当を食べるのを忘れていました。
投稿: 五目漁師 | 2023年4月15日 (土) 09時20分
カイワリおめでとうございます。仕掛けと誘いの組み合わせで、その日のアタリパターンを見つけるのですね。面白そうな釣りですね。食べても美味しいという噂なので、まずは魚屋さんで探してみます。
投稿: paiatown2013 | 2023年4月17日 (月) 17時28分
paiatown2013 さん、こんばんは。
大津のアジも釣れない時には釣れませんが、カイワリの方がもっと極端に思っています。
釣れた時にはこれで分かった気分になるのですが、次に同じことをやっても駄目なんですよね。
市場などでカイワリが売られているのは見たことがありませんが
是非一度釣りを兼ねて食べてみて下さい。
投稿: 五目漁師 | 2023年4月18日 (火) 00時53分