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2022年7月

2022年7月12日 (火)

その3 天気予報を上手に利用するために

 

(本記事は、以前から既に準備していた原稿の貼り付けです。)


ここまで、その1では五目漁師が愛用している天気予報とその利用の仕方、そして、その2では天気予報の基本になるGPVについてまとめてみた。
最後にその3では、GPVから天気予報を作成する意味やそれを知った上での五目漁師の天気予報との付き合い方などについてまとめておこう。

なお、天気予報会社が予報の仕組みについて一々公表しているわけではないので、内容については五目漁師の想像に負うところが多い、あくまでも自分メモとしての位置づけであることに変わりはない。

さて、いよいよ最終段階としてGPVから天気予報を作成することになるが、ここでやる主なことは次の2つであろうか。

① GPVはその2に書いた通り、あくまでも天気予報の前段階の格子点データである。
一方、予報したい地方や街、更には釣り場はGPVの格子に合わせて整然と並んでいるわけではない。
そこで、格子点データを利用して予報点のデータに変換する必要がある。

そもそも、数値予報の最初の段階では世界中にバラバラに散らばった観測点のデータから格子点データを作成して計算の初期値を作成しているが、今度はその逆に寧ろ格子点間(20kmや5kmの間)を埋めていく様な操作が必要になる。

② その2で、人気のGPV気象情報には誤差が存在するために補正が必要との注意が明記されていると書いた。
GPVの数値計算では初期値の不確かさや地形のまるめ操作(これによって、富士山の標高が低くなったり、初島が消えてなくなったりしている)などによる誤差が存在している。
このような誤差要因は多種多様にわたるが、その結果として特定の予報点にいつも現れたり、特定の季節に表れたりする(例えば、伊東の海岸線の風模様はいつもこのGPVのデータから作成した天気予報よりも一回り強く吹くし、風向も東側にぶれていることが多いといった様な)お決まりの癖(バイアス誤差)が含まれていることがある。
このような癖は統計的に処理することにより補正することができる。
どのような方法で補正するかは、それぞれの予報会社の実力の見せ所となってくる。

例えば、五目漁師が愛用している海ナビでは全国7500ポイント、釣り天気.jpでは、なんと全国27500ポイントもの釣り場の予報点があるために、何れにしても、個々の予報官や予報士が腕を組んで一点一点ひねり出すわけにはいかず、ここでもコンピューターの活躍の下、各社自慢のアルゴリズムによって統計的に天気予報が作成されていくに違いない。

これら2点によってGPVでは表現ができなかった例えば釣り天気.jpでは伊東のマリンタウン下とか熱海沖の風予報とか、海ナビでは伊東の潮吹公園とか熱海の初島とかの釣り師が欲しいポイントの風予報ができるようになる。
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釣り天気.jpの予報釣り場の一例
(釣り天気.jpのホームページより一部をコピー&ペースト)


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海ナビの予報釣り場の一例
(海ナビのホームページより一部をコピー&ペースト)


ただ、これとていくらでも細分化するわけにはいかず、愛用の天気予報でも例えば初島の風表と風裏の風速が明らかに考慮されていると感じるほど分解能の高い予報はなく、やっと大島程度になってくると差があるかな? 程度であろうか。
天気予報会社がどこからGPVデータの供給を受けているかはわからないが、例えば釣り天気.jp海天気.jpはユーザーから見れば別の天気予報でどっちがよく当たるの? と比較したくなるが、実は、変な話だがこれらは同じ予報会社が予報している。
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釣り天気.jpのホームページより一部をコピー&ペースト)

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同じ時刻に同じ時刻を対象とした釣り天気.jpと海天気.jpの予報例。
海天気.jpのホームページより一部をコピー&ペースト)


同じ会社の予報がこんなに違うとは一体・・・と思ってしまう。
一度、メールで明らかに同じ予報会社が異なる予報を公表しているって一体どうなんですか? と問い合わせてみたことがあるが、
“申し訳ありません、今後より正確な予報ができるように努めていきます” と軽くあしらわれてしまった。

つまり、予報している会社自身が現在の予報技術ではどちらが正確かは分からないのでユーザーの方で判断してくれということだろう。

このようなことは他にもある。
先に挙げた愛用する天気予報の中には入っていないが、これも人気の海快晴という天気予報では堂々と2通りのGPVを基にした天気予報を併記しているし、先のWindyでも数種類のGPVを基にした天気予報を切り替えてチェックすることができる。
ご丁寧に比較検討しやすいように4種類の元ネタによる予報を並べて表示することもできる。
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ECNWFによる週間予報
(Windyのホームページより一部をコピー&ペースト)


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GFSによる週間予報
(Windyのホームページより一部をコピー&ペースト)


裏を返せば“予報は時と場合によっては当たりませんよ”と言っていることになる。

そこに行くと気象庁の天気予報GPV気象情報はさすがに真面目だ。

実は、10日間や2週間にわたる長期の予報は数値予報には違いないがアンサンブル予報という手法を用いている。
これは、長期にわたる数値計算の結果が期間が延びるとともに次第に不正確さを増してくることを承知の上でわざと計算の初期値に微妙な差を待たせて複数の計算を実施し、ばらついた結果の平均値を予報として出力する方法である。

計算が正確であればバラツキ(分散)は少なく、不正確であればバラツキは大きいとしてバラツキの大きさをA,B,Cの3段階に分けて週間予報の結果と同時に示している。
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3日以降の予報に関しては信頼度A,B,Cが合わせて表示される。
気象庁のホームページより一部をコピー&ペースト)

これは、いわば予報は正確ではないことを承知した上での親切な表現方法と言える。
もちろん、一般的には期間が長くなるにつれてA→B→Cと信頼度は落ちて行く傾向があると考えられるが、実際の大気の状態によって計算が当てはまる状況や計算が当てはまらない複雑な状況などがあろうことは想像ができるので、3日以上先の予報をチェックする時には有意義な情報となる。

何れにしても予報する側が当たらない(ことがある)と言っているのでこんなものを100%信じて命を掛けるわけにはいかない。
少しでも確実性を高めるために、五目漁師の場合にはいくつかの方法で自分なりに予報の確実性などを確認するようにしている。

天気図上の低気圧や高気圧の配置、等圧線の込み具合などは日本全体を覆っているので、個々の釣り場の風予報としては何の参考にもならない。
ただ天気の安定性や全体的な風の強弱などは何となくここから見て取れるので、その程度に参考にする。

次の行先が決まると、その時点から日々変化する予報をPC上で画面コピーし(過去の予報は新しい予報の度に消されて行くため)変化傾向(風が弱くなっていくのか強まって行くのか、雨は上がっていくのか強まって来るのか)などを各社の予報毎に並べてPC上でチェックするようにしている。
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5月8日8時23分にキャプチャーした5月11日の予報
釣り天気jpのホームページより一部をコピー&ペースト)

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5月9日16時45にキャプチャーした5月11日の予報(釣り天気.jpのホームページより一部をコピー&ペースト)
時間を進めた2つの予報を比較すると、天気が良くなる方向に変わるとともに、風が次第に強まってきていることがわかる


(こんなことをやっている間に、一方でボートの予約がどんどんと詰まってしまい。やっと納得できる予報が定まってきたころにはボートがなくなっていることはよくある)。

予報の確実性がないとなればもう一つの考え方は、確実でなかっても大きくは外れないエリアであることを確認することであろう。

GPVでは地形の平均化によって小さな半島や島などの影響が見えなくなっているといったが、それでも外海が真っ赤かの中にあって、岸沿いの特定のエリアだけが紫や青になっていることはよくある。
周りの地形の影響によってこのようなハッピーポイントが現れることは理解できるが確実性の観点から見れば、ちょっとした風向のバランスなどで容易に領域が移動したり、狭くなったり逆に広がったりする怖いポイントだと認識するようにしている。

3回にわたって五目漁師の天気予報の利用の仕方などについてまとめてみた。
最後に、本文中で利用した図は、たまたまPCの中に残っていた図を探し出して使ったため統一性がなく日付の古いものもある。
また、気象庁Windy に関しては一定のルールの下で該当のホームページからの図や表のコピーやそれらの一部分を切り出してブログなどで再表示することが許容されているが、多くの気象会社では禁止されている。
今回は最小限にとどめたが勝手に利用させていただいた図もあるので、更に再利用される場合にはご注意いただきたい。

 

歳を食ったせいか、昔の様に蒸し暑さを感じなくなっているような気がする。
それでもこんな時には涼し気な料理が良い。
伊東で釣って冷凍保存していた真鯛のカルパッチョと焼き真鯛ソーメン。
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釣り記事の合間の記事にしようと準備していましたが、連投になってしまいました。
面白くない内容ですがご興味のある方はご覧ください。
私の方はますます天気予報には敏感になりそうです。

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2022年7月 9日 (土)

無題



事故があった次の朝、まだそんなことを知らない私はオヤジさんに電話を入れました。
“明日は、オヤジさんは伊東の沖、私は網代の中深場、お互いに良い釣りをして海上で連絡し合いましょう” 
と言うつもりでした。

少し時間をおいて2度電話しましたが、2度ともシーンとしたままで何も聞こえない。

その直後に仲間のGさんから
“こんなニュースをネットで見たけどまさかではないでしょうね” とメールが入る。
そのまさかかもしれないと返事し、直ぐに伊東に向かった。

スマホの電源を切った時や電波が届かない場合には直ぐにオペレータの “只今・・・” の応答がありますが、スマホが水没(恐らく)した時の応答は “シーン” だけでした。
今でも、この時のシーンの音が耳に残っています。

もう2週間。
現実的には、まだ奇跡を信じると言える期限は過ぎてしまったと思います。
今日、静かな伊東の海をボーっと眺めながらお別れをしてきました。
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どちらが乗って出られたかはわかりませんが、いつも一番乗りの私が愛用させていただいていた青色のボートはありません。

 

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