すこぶる感度良しの80円天秤を作る
先日、クッションゴムを自作した。
少しゴムの伸びが悪いが市販の500円以上もするクッションゴムが自作すれば1本50円ほどでできてしまう。
もちろん365日連休の五目漁師ならではのことで、結構手間暇はかかるのでお仕事のある皆さんはけった糞悪くてもたまに2本や3本くらいなら買った方が良いだろう。
年金暮らしの五目漁師でも高いとは思いつつもゴムくらいは買っていたが今の様に1日に何本もフグ野郎に切られたのでは金たまらない。
さて、同じ理由で今度は天秤を自作してみた。
全長50cm
実は、先日(12月20日)のカイワリとアオハタは全てこの自作天秤を使って釣った。
残念ながら最後はビシ諸共フグ野郎に切り落とされてしまったが沢山作る前に使い物になるのかどうかのお試しとしては大成功だった。
自作の目的は当然のことながら奴らに切り落とされてもうろたえずに平気でおられる安い天秤を作ることであったが、驚いたことにすこぶる感度が良く、しかも使い勝手も悪くはないことが分かった。
想像はしていたが、リーダーがパイプの中を通る中通し天秤なので掛かった魚、あるいは掛かる魚と穂先が直結しており魚は錘を引かずに穂先だけを引くためにすこぶる感度が良い。
更に、錘が魚がもがく支点にならないために、当然のことながらバラシも少なくなると考えられる。
先日の釣りでは正にこれを実感することができた。
掛かったではなくカイワリがオキアミを啄むところから穂先に伝わってくる。
サバが掛かった時など従来の天秤ならご苦労さんにもサバは錘を引きずりながらガタガタと抵抗するがこの天秤の場合は錘はそっちのけでグイグイと直に穂先を引きずり込もうとする。
いやいやこれは楽しい。
フグ対策のお陰で思いがけずいい天秤ができたと考えればここはフグ様に感謝。
もう少し使ってみないとわからないがフグ対策用として拘らなくてもカイワリや真鯛を釣る一般使用として、現在愛用している夢の天秤(1500円程度)にとって代わることができるかもしれない。
さて、こんなものを作ってみようと思った元々のヒントはネットで紹介されていた中通し小型天秤を使った泳がせ仕掛け。
ここで使用されている小型天秤を求めようとしたが近くの釣り具屋になかったのでダイソーのロリポップスティックを使ってこんなふうに自作した。
赤い方が泳がせ仕掛け用、黒い方は150号くらいの錘をぶら下げても大丈夫なように改良した中深場仕掛けのエダス天秤として使用する。
作ってみると意外と簡単に、しかも安くできることが分かったのでこれをサイズアップすればフグ対策用の“切られても平気天秤”として良いかもしれないと思ったのが事の始まりであった。
では、作ってみよう。
材料は近くのDIY店で買ったこんなウレタンパイプ。
透明の方は1本120円(税込み)ほど、クリーム色は何故か少し高く150円ほどだった。
1本1mなので全長が50cmの少し短めの天秤なら1本で2つの天秤を作ることができる。
で、その作り方だが、先ずパイプを適当な長さに切って折り曲げるところから始まる。
最初は先のロリポップスティックと同じようにライターで炙りながら折り曲げみたがフグに対抗して沢山作るとなると面倒だし品質も揃わない。
そこでこんなパイプ折り曲げ治具を作ってみた。
使う時には後ろの万力にセットする。
これでも最近は靄の中に入ってしまったような脳みそをゆっくりと回転しながらの結構な試行錯誤を繰り返した結果だ。
これを使って曲げ部分をドライヤーで加熱しながらこんなふうに曲げていく。
尤も、これを使ってもパイプ曲げはまだまだ匠の世界。
少し慣れないと色んな形(曲がり角度や曲がり点など)になってしまうのは仕方がない。
折り曲げたパイプにスナップサルカンを通し、こんな風にサルカン止めを施して
収縮チューブで保護がてら体裁を整えれば出来上がり。
全長50cmと60cm、今回は使い勝手などを調べるために長さや折り曲げ角度を敢えて変えて作っている。
使う時にはリーダーをパイプ内に通して出口にサルカンの付いた仕掛けを付ける。
一見こんな華奢なもので大物が上がるの? と思われるかもしれないがご安心を。
中通しになっているのでどんな大物を掛けても引っ張り合うのは魚と竿。
中に入った天秤はこんな風に曲がった部分を延ばす方向に形を変えるだけで魚の引きを直接受けることはない。
もちろん釣り上げた後は元の姿に戻る。
昔、古くなった天秤の繋ぎ部分が破損して大物を逃がしたことがあったが、この天秤の場合は道糸とハリスが直結しているので道糸かハリスが切れない限り大物を取り逃がすことはない。
一方、欠点もある。
五目漁師は2号以下のPEラインを使う場合には元より5号か6号のリーダー(6m)を着けているので道糸をパイプに通すのは容易であるがリーダーを使わずにフニョフニョのPEラインを中通しするには無理があり、かって中通し竿にワイヤーを使って道糸を通したように工夫が必要になる。
また、形状記憶合金の様にくるくると巻くことはできないので持ち運びは少し面倒になる。
面白いことに先日話しているとオーシャン釣具のオヤジさんもフグ対策として天秤を自作されたという。
見せていただくとステンレスの針金を使った格好良いものだったが、その前には試作には至らなかったが今回の天秤と同じようなこと(中通し)を考えられたとのこと。
是非この天秤を試しに使って大きな真鯛を釣り上げていただきたいと思っている。
これで、フグ野郎切られて困るのはビシだけになりました。
しかもこの天秤カイワリ釣りにもなかなか良さそうです。
さて、次は納竿ですね。
日程を思案中ですが問題はターゲットですね。
正月の食材としては真鯛が欲しいところです。
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五目漁師さん、こんにちは。
自作天秤、凄いですね。単純に既製品のまねではなく、独自の工夫も加わって完全にオリジナルですもんね。
ルアー釣りの世界でも、メタルジグやアシストフックなどを自作する人がけっこういますよね。
仕掛作りを楽しむ人、魚とのやり取りを楽しむ人、釣った魚の料理を楽しむ人、
いろいろな釣り師がいますが、どうせなら全部楽しめた方がいいと思います。
クロダイ釣り専門だったころ、落とし込み用の目印やガン球を針に直接くっつける針オモリなどを自作していたことを思い出します。
今の釣りを始めてからは、傷ついたメタルジグをホログラム貼ってウレタンコートなどで再生する、とかやってみましたけど、最近はすっかりやめてしまいました。
ヤフオクで購入できる1本あたり500円以下のメタルジグがマイブームです。
この値段だとロストを気にせず根回りをガンガン攻めることができます。
投稿: ぐっちゃん | 2021年12月26日 (日) 19時17分
ぐっちゃん、こんばんは。
キス釣り用の全長12、3cmくらいのはありますが何故かコマセ釣り用の長いのはありません。
こんな細いへなへなのプラパイプで長くすると道糸の引っ張り力で折れ曲がるのではと思ったのですが、よく考えてみるとパイプの中心をリーダーが通るわけですから曲げモーメントがかかることはありません。
割りばしを垂直に立てて金づちで叩くようなものですね。
割りばしの場合は一瞬曲がったりすると折れてしまいますが、この天秤の場合は魚の引きや落下時の水の抵抗では曲がっても道糸の引っ張り力では曲がらないという手品のような天秤です。
ただ、手作業でパイプを曲げますから品質が一定せず見栄えは良くないですね。
まだ試行錯誤が続いています。
おっしゃるっとり、釣りは本当にいろんな楽しみがありますね。
投稿: 五目漁師 | 2021年12月26日 (日) 22時23分
おはようございます
作業台の写真を見て嬉しくなりましたね
ガラクタ釣り仲間の???
ちょっと違いますね
本格的な物作りと私のガラクタとは違います
それでも同じ仲間が増えた気分で楽しいです
この中通し天秤は
最初キス、カレイ狙いで買った物で始まり
自作したのは黒鯛狙い
ハリス止のサルカンの代わりに小さい浮きを付けて
釣りました
しかし、この時は失敗
潮の流れが強く、浮きは上がらなかったようでした
それでも黒鯛は釣り感度は良好でした
今思うと、なんで真鯛で使わなかったか
今日にでも材料を買い
作ってみます
正月早々の楽しみが増えました
散歩がてら買いへ行きます
投稿: 趣味人たけ | 2021年12月28日 (火) 08時16分
趣味人たけさん、こんにちは。
こんなものに真剣になれるなんて、釣りは本当に楽しいです。
上手く曲がらずむきになっているともう20本も曲げてしまいました。
近くのDIY店のプラパイプは既に底をついています。
ろくに在庫管理はやっていないでしょうからもう入って来ないのではと心配しています。
浮きを付けておくとビシだけを先に落とすこともできますし、逆に普通に落としたい場合には少しサミングしながら落とせばいいですね。
ここは誘導のタイラバと同じです。
たけさんの天秤が楽しみです。
投稿: 五目漁師 | 2021年12月28日 (火) 15時01分
釣りは魚との知恵比べが楽しいですので、仕掛けの自作は本当に面白いものです。
今年を振り返ると、五目さんのアドバイスを賜りつつ、ブレードフックや中深海仕掛け、タイラバネクタイなど、色々と定着した工夫もありました。
是非、来年も仕掛け、餌、ジグ、料理ともに楽しく工夫して行きたいと思います。
どうぞ引き続き宜しくお願いいたします。
投稿: MBL | 2021年12月29日 (水) 18時08分
MBLさん、こんばんは。
こちらこそいろいろ参考にさせていただきました。
仕掛けも、ルアーもお互いに情報交換することでどんどん新しくなっていきますね。
足漕ぎカヤックと違ってエンジン艇での中深場は最低でも錘が100号、120号になってしまいます。仕掛けを吹き流しに替えて高感度のこの天秤を使ってみようかなとも思っています。
それと来年は中深場ジギングを始める予定ですのでまた色々と教えてください。
投稿: 五目漁師 | 2021年12月29日 (水) 21時06分
遅いコメントを失礼します。
年末年始に転居準備を含めた帰省でバタバタしていたので、すっかり記事を拝見するのが遅くなってしまいました。
こんなにステキなクリスマスプレゼント記事を出されていたんですね!!
目からウロコです!
例の「理想ならビシ」計画で課題にしていた部分が、この記事を拝見したことで解決しそうです。天秤ではなく、ビシ自体を遊動にすることに思い至りました。
今は道具が足りないので、東京に帰ったら早速試作してみようと思います。
ありがとうございます!
今年の目標がひとつ具体化しました(^O^)
投稿: HEPPO | 2022年1月 7日 (金) 10時17分
HEPPOさん
明けましておめでとうございます。
いよいよお帰りですね。
釣りシーズンとしては一番厳しい時ですがきっと釣り好きの皆さんがお待ちかねですよ。
私もですが。
この天秤、私はフグに切り落とされるまで何の支障もなくカイワリ、サバ、フグなどを釣りながら感度の良さにご満悦だったのでが、オーシャンのオヤジさんに使ってみて頂いたところ使い方によっては丈夫さに難点があることがわかりました。
今、オヤジさんと改良を考えているところです。
HEPPOさんの試作や使用感が楽しみです。
投稿: 五目漁師 | 2022年1月 7日 (金) 12時14分