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2021年2月15日 (月)

ドテラ流しを考える

 

 

前回の記事で少し書いたが
自宅のネットワークの再構築作業や
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諸々のデータの整理はようやく終わった。

故障のPCは電源交換でファンは回り始めたものの
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本体は動いてくれないために
五目漁師の手には負えず
結局、修理業者にお願いすることになった。

さて、一方で釣りの妄想は続いている。

悲しいかな、
巻き巻きだけのタイラバやスロージギングの
流し釣りの成否の多くは
ボートの流れ次第と言わざるを得ないが、
何とかもっと、
前向きの釣りにしたいと考えている。

そこで昨年はこんなものを作った。
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使い慣れるにつれて
当初思った以上に使い勝手が良く、
今シーズンはますます手放せない
流し釣りの道具になりそうだ。

これと電動リールの(シマノなら)
さそい機能を組み合わせると、
巻き巻きは竿とリールにまかせて
空いた両手を使って
自在にボートを漕ぐことができる。

そこで巣ごもりの今、
仮に自在にボートコントロールができたとして
タイラバやスロージギングによる流し釣りは
一体どう流せばベストなんだろうか?
と悩んでしまう。

ボートが風や潮で流れるに任せる釣り方
(遊漁船ではドテラ流しというそうだが)は
本当にそれでベストなのだろうか
と考えてみた。

海の中の魚の様子が
そう簡単に覗けるわけではないので
いくつかの仮定や条件のもとに
考えざるを得ない。

先ず、
魚は海の中でどっちを向いているのだろうか?

よく言われるように、
あるいは釣り雑誌の絵によく出てくるように、
潮の流れてくる方に向かって
流れに逆らうように泳いでいるというのは
一つのパターンとして確かそうだ。

餌になるプランクトンを口に放り込むためには
その方が良いし、後ろ向きに泳げない魚が
同じところに止まるためには
潮流に逆らって泳ぐことが基本になるだろう。

もし、潮流に対して尻尾を向けようものなら
途端に猛スピードで
流されてしまうに決まっている。

タイラバやジグをここでは
特大のプランクトン(タコ)と考えると
魚の前方から魚の顔面に向かって
これらを流しながら巻き巻きするのが良い
と考えるのが自然であろう。
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視野が極端に広いカメラのレンズを
魚眼レンズというくらいだから
魚は人よりも周囲はよく見えているとは思うが
さすがに後ろから尻尾に向かって
ルアーを流すのはいかにも釣れなさそうだ。

更に、実際の釣りではよく遭遇する
海底の潮流と海面の近くの潮流が
異なっている所謂2枚潮状況は
ここではないとしておこう。

で、ここでドテラ流しについて考えてみる。

ボートは潮の流れと風の両方によって
流される。

今、潮によって流される要素を
赤のベクトル、
風によって長される要素を
青のベクトルで示すことにする。

先ずは基本形として
海上は無風でボートは
潮流によってのみ流される場合を考える。
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*1

魚は赤いベクトルの方向とは逆を向いて
プランクトンが流れてくるのを待ち伏せている。

一方、海上では潮に乗って
ボートも赤いベクトルの方向と速度で流れる。

つまり、この場合にはドテラ流しをすると
大好物のタコ、いやタイラバが魚の正面に
赤いベクトルの長さが示す速度で
流れてくることになる。

その速度が適当な速さであれば
当然のことながら獲物はパクッと
タイラバやジグに食いつくに違いない。
うしし。

今度は、潮流の他に
潮流と同じ方向の風がある場合を想定する。
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ボートは潮流と風の両方で流されるために
さっきと同じ方向に
少し(対地)スピードを上げて流れる。

一方、風のことなどは正にひとごとの魚は
先ほどと同じように潮に逆らって泳いでいる。

ただ、好物のタコが前方から
先程よりも(ボートが風で長される分だけ)
速いスピードで近づいてくるために
例えばオニカサゴのように
動きの鈍い魚(失礼)は
タコを捕え損ねてしまうかもしれない。

逆にボートを流している五目漁師には
潮流は見えないために
丁度よい感じでボートが流れてくれる
と思っている。

ではこんな場合はどうだろうか、
風が潮流とは逆方向に吹いている。
しかも風ベクトルが
潮流ベクトルよりも大きい場合だ。
7

観音崎などと違って
潮流が比較的弱い伊東などは
このパターンが多そうな気がする。

この場合も海上の様子を知らない魚は
相変わらず潮に逆らってホバーリングしている。

すると後ろからドスン!
鉛のタコがやってきて
尻尾を叩かれることになる。

これでは釣れんわなぁ!

ボートを流している五目漁師にとっては
潮流は感知しにくいために
海底の状況が
こんなあり得ない風景になっている
とは知らずに
釣れねー、釣れねー
と流し続けることになる。

単純なパターンとして
潮流ベクトルと風で流されるベクトルが
平行である場合について考えてみたが
実際には双方は互いに無関係であるために
ドテラ流しではボートは
潮流ベクトルと風ベクトルの
合成ベクトルの方向と速さで流れる。

このためにそれらの方向と速さ次第で
タイラバは魚の眼前を斜めに横切ったり、
斜め後ろから横切ったり様々である。
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例えば、(A)の場合には
タイラバは魚のやや左前方から
右後方に横切っていく、

B)の場合には
ほぼ前方から接近してくる。

C)の場合は
右後方から近づいてくるために
ぼやっとしているとゴツンとやられるか、
食いっ気がある魚なら
慌てて追っかけることになる。

D)の場合には
ほぼ前方からなので方向としては良いが
海上の五目漁師は
いつも等速で巻いているにも関わらず
接近速度が風の分だけ
速くなっていることに気付いていない。

こんな中でも
常にタイラバを魚の顔面に向かって
適当な速さで流したい。

さて、どう漕げばいいのだろうか。

答えは簡単なことに
今更ながら気付いた。

要は、魚には風が見えていないために
常に潮に向かって泳いでいる。
つまり、海上のボートは
ドテラ流しなんかではなく
常に潮流と同じ方向に、
魚に接近したい速度差分だけ
潮流の速度と差をつけて漕げばよいことになる。

風がどんな風速で
どっちからどう吹いてこようが
このルールは正しい。

そんなボートコントロールが
できるかどうかは別として、
ここで活躍してくれるのが初めに書いた
竿立てと誘い機能の付いたリール
ということになる。

うまく漕ぐには熟練が必要だが
少なくとも両手が空いたことによって
真似事はできそうだ。

と、ここまできて、
ハタと気付いたのが次なる難関。

五目漁師には絵で描いたような
潮流ベクトルと風ベクトルが
目視できるわけではない。

魚探の航跡から
合成ベクトルの方向と速度は分かるが
潮流ベクトルが検知できないと
結局はどっちを向いて
どれくらいの速さで漕げばよいのかは
わからない。

アフォくさいと思われるだろうが
暇というのはこんなもので、
どうすれば絵にある赤のベクトルが
海上で検知できるだろうかと
一生懸命考え始めた。

前出のタイラバ素材を作りながらも、
ネットワークの見直し作業をしながらも、
ベットイン(うそ、和室の布団に潜り込む)
してからも
海上の様子を思い浮かべながら
なんやかんやと考えてしまう。

ボートから
弛ませた紐を流してみたらどうだろう、
それなら浮きに針金を付けて
その先に紐を付けて
放り投げる方がいいだろうか、
9

少し手間と時間が掛かるが一旦アンカーを入れて
ボートを風ベクトルに固定した上で
ボートから紐を流すのが一番確実そうだな。
でも潮流は結構頻繁に変化するので
こんなことは一々やってられないだろう・・・

で、結局竿から垂れる道糸の角度で
判断することに落ち着いた。

感度は鈍いが、もともと
厳しい精度を要する類のものではないので
取りあえずはこれでやってみよう。

結論は簡単だ。
風に左右されない海面直下のPEラインが
ボートの進行方向と平行に
しかも決めた角度で
海中に突き刺さっていることを
確認しながら漕げばよい。

図からもわかるように
海中に没したPEラインは
風ベクトルの直接の影響ではなく
潮流ベクトルと合成ベクトルの
差のベクトルに基づいて
海中に没しているために
道糸とボートの進行方向を平行に
かつラインが海面に突き刺さっている角度を
決めた角度に保つことが
タイラバを魚の真正面から
常に同じ速度で近づけられているかどうかの
指標になる。

これなら精度は疑問だが
一種の負帰還制御になっているので
安定性はありそうだ。

ラインが突き刺さる角度は
タイラバヘッドの重さ、PE ラインの太さ、
そしてその日流したいボートと潮流の
流れの速度差で決まるが
ここでは一定に保つ、

あるいはいろいろな速度でやってみる
ということにしておこう。

因みに本ブログの201384日の記事
2014227日の記事
シンカーの重さとPEラインをパラメータにして
潮流速度に対するPEラインの斜め度を
計算している。

これも五目漁師独自の計算によるものなので
正しいかどうかは??であるが、
追ってタイラバヘッドに対応するものを
計算してみようと思っている。

あくまでも
先の前提や条件における限りにおいてであるが
安易なドテラ流しは、場合によっては
とんでもない間違いを犯していることが分かった

潮流と風次第では
魚の後ろから攻めていることになるし、
PEの斜め度がきついからといって
タイラバヘッドを重いものに替えるのは
タイラバの接近速度を速めていることになり
果たして正しい解決方法なのかどうかは
これも大いに疑問がある。

さて、長々と
あてにならないことを書いてしまったが
要はさっさと海に出て
釣れればそれで良し。
釣れなければ退屈しのぎに
こんなことでも考えながら、
また考え方は良しにしても
実際にそんなボートコントロールが
できるのかどうかを試してみようと思っている。

*1:ついついラインを斜めに描いていたが
2枚潮などがないという条件下で無風の場合には
道糸は垂直になるので絵を訂正。(21.02.18 00:45)

 



どんどんと暖かくなってきますね。
伊東の海水温は未だに16℃台、
一日中一度も餌を盗られることもないような
静まり返る真冬の海の状況はないままに
春の海に向かいそうですね。
カイワリもハナダイも既に釣れ始めたようですし
そろそろ乗っ込み真鯛も楽しみです。

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コメント

こんにちは。

何やら複雑なように感じましたがそれぞれ海上と海中の「流れ」があり、重要な事は海中の流れをなぞるように移動する。ということですね、と簡単に言いますがこれは難しい。

私も風と潮流のことを考えた事があり、質量の違いから潮流の影響の方がボートに対して影響が大きい、と思っていましたが風は波を生み出しますのでその波の影響が1番強いと思いました。

その時は餌とジグやタイラバでアマダイ狙いでしたがジグは底が取れず、タイラバもアタリがありませんでした。オヤジさんも風が強すぎてダメだったとのこと。予報は良い感じでしたが前日も同じような状況だったとか。

餌では当たり多く、後半の2時間弱でしたが何とか型を見られてオニも来てくれました。

とこっそり報告も含めて。笑

まっくさん、こんにちは。

チンタラと書きましたが、まっくさんがおっしゃる通り
要は風に左右されずに潮流の方向に速度制御しながら流しましょうということです。
伊東の場合は流れがあまりないだけに風が吹いた時にはお尻から攻めている可能性は大ですね。

はははっ、ご報告ありがとうございます。
実はオーシャンのオヤジさんから聞いて先日のまっくさんの頑張りは知ってますよ。
それにしても日は前後していますが相棒の方の釣果は最近凄いですね。
あやかりたいものです。
よろしくお伝え下さい。

五目漁師さんこんにちは。
難しい計算をされていますね。
実際には経験からなんとなく体が感じて勝手に実行するというところでしょうか?
僕はジギングやテンヤをするとき、ラインがまっすぐ落ちるように操船して潮流に合わせます。
着底したら基本どてらで流し、ジグやテンヤの重みを感じるようにしゃくったり操作します。
特にジギングの場合、「潮がジグに当たっている」という感覚が重要で、
逆に重量以下の重さしか感じない時にはほぼ釣れません。
どてらで釣ってラインが真横になるほど風または潮流が強い場合、
たまーにギアを前進や後進に入れたまま釣ることもありますけど、
そこも取り辛いし、非常に釣りにくいです。
手漕ぎではなく、動力船の話ですが、そんな感じで釣っています。

ぐっちゃん、こんばんは。

皆さん、いろいろ考えてやってらっしゃいますね。
ぐっちゃんのように所謂ジギングの場合には
余り流す方向は気にならないかもしれませんね。

タイラバや私の場合はジギングでもただ巻きが多いですから
潮流に対する流し方向が結構気になります。
気になったところで今までなら流れに任せるしかなかったのですが
今度は両手が空くことで少しは足掻くことができます。

同じ風の下でやっていてやがて潮を受けて重みを感じるようになると
時合いですね。
ボートの真下に落ちる時にはやはり釣れる気がしません。

釣り船の船長が見て判断するのは釣り人のラインが
真下に下りる操作ですね
そこで釣り人の考えることは皆同じ
観音崎を例にとれば
今北東の風、下げ潮となれば右の大艫
上げ潮に変われば左のミヨシとなります
魚が向いている処にいち早く届く場所
ヒラメ釣りでは鉄則ですね
しかし一番早く店についても
その場所は予約済み
常連さんの席ですね
それが嫌で止めました
ボート釣りは最高です

趣味人たけさん、こんばんは。

道糸が真下に下りる操船、潮流との同期ですね。
タイラバでは角度も欲しいですが基本操作だと思います。

ドテラ流しでは100mの水深で300mも道糸を出すこともあると聞いています。
確かに角度は十分ですし、
潮流と風向きと風速によってはこれでも当りの時はありますがまぐれですね。

真下に下す基本操作をやれば外れはないと思いますが
これをやるのは面倒なんでしょう。
代わりに不公平感は出ないかもしれません。

あれやこれやと自分んで考えながらできるボート釣りは
面白く退屈しません。

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