五目漁師の五目仕掛け
これは1年ほど前から五目漁師がコマセ釣りの際に愛用している
五目仕掛け。
もともとはコマセが広がる中で
遠巻きに(実は針の付いた)オキアミ餌の様子を覗う
用心深いマダイや青物と
ビシかごから出るコマセに躊躇なく突進してくる
アジやカイワリなどの両方の魚を
一々仕掛けの交換をせずに釣りたいという
不精な考えで作ってみた仕掛けであるが
今では五目漁師にとって手放せない仕掛けになっている。
なんのことはない、
実質的にはマダイなどを狙う時に使うロングハリスの2本針
あるいは3本針仕掛けとなんら変わりはないかもしれないが
五目漁師的には
これらとは作った発想が全く違うために
おのずと釣り方も釣れ方も変わってくる。
ロングハリスの2本針(時には3本針)は
恐らく仕掛けを棚にセットしてもしばらくアタリがないと、
餌は盗られてないだろうな???
つまり餌が一つでは心もとないという心配に対する保証と
棚はこれで大丈夫かな???と
棚のあいまいさに対する心配の保証であろう。
中には2尾同時にマダイを掛けてやろうという
野心的な釣り師もいるかもしれないが。
五目漁師の五目仕掛けの発想は
こんな保証を取りつけるためではなく、
そもそもは不精釣りOK、
あるいは、よく言えば手返しの良さを保証するためのものであった。
ある時には
上部の2本の針の存在(取りあえず餌は付けているが)は無視して
ロングハリスとして先針でマダイを狙う、
ある時には
逆に先針の存在は無視して
ビシ近くの2本の針でカイワリやアジを狙う。
これはこの仕掛けを使い始めて間もない昨年5月の釣果。
もともとこの日は魚影に乏しい日であったため貧果ではあるが
正にこの仕掛けがツボにはまった釣りだった。
先ずはマダイにターゲットをあてて
先針をマダイ棚にセットし小型ながらもマダイをゲットする。
そして次はもう一枚マダイをと思い
コマセを振り出しながら棚どりの最中に
今度は上針にカイワリが掛かる。
ならばと今度は長いハリスの先に付いた先針を無視して
底近くにいるカイワリをターゲットにすると
地べたを這う先針にムシガレイが掛かってくる。
どちらの針にも掛かってくるのはイトヨリ。
とこんな具合に狙い魚毎に必要な仕掛け交換に
手間暇をかけずに不精にして五目釣りが楽しめるように
作ってみた仕掛けがこれであった。
しかし、この後も多少改良を加えたりして使っている内に
今では五目漁師にとっては単なる不精仕掛けではなく
海中の様子を連想しながら
その時々にそこに現れる魚と勝負する妄想仕掛けに変わってきた。
この仕掛けを使うととにかくコマセ釣りが面白い。
うん? カイワリがやって来たぞ。
ならばこの針に掛けてやろう。
いや、マダイがいそうだ、
ならば先針をマダイの棚にセットしてマダイ狙ってみよう、
とこんな具合だ。
もちろんマダイの棚どりの最中に
カイワリやアジが突っ込んでくると
敢無く彼らを釣ってしまう(釣れてしまう)ことは多い。
そもそもこんな釣り方をしようと思うのは
先に書いたように単にエサ盗りの心配や
棚どりのあいまいさに対する保証を得るために
3本針にしたわけではなく
五目漁師なりに先針と上部の2本の針に
それぞれに違った役割を持たせて
3本針にしたからに他ならない。
なんてことを言ってみたところで
実績はどうなのであろうか。
データをとりたかったが
最近はカイワリは釣れないし
マダイはそもそも数があがるものでもないので
自己満足の域に止まっていた。
そんな中、4月2日に今年のカイワリシーズンが開幕、
この仕掛けで先ず先ずの釣果を上げた。
続く4月23日には釣り始めるや
カイワリ大釣りの気配があったので
慌ててタックルボックスから適当な用紙を見つけ出し
メモをとってみた。
まとめたのがこの表
これはこの日の釣果
この日は右舷側に
もともと手持ちする積りのカイワリ用の
2.5m2本針吹き流し仕掛けを付けた竿を出していたために
左舷側の五目仕掛けを付けた竿は
マダイ狙いを中心に棚どり
(着底時にコマセ、中間でコマセ、先針が底から1mでもう一度コマセ)し
あとは置き竿で待つ積りであった。
しかし、結果は上の表の通り。
38尾のカイワリのうち五目仕掛けに掛かったのが21尾、
その内、上2本の針のどちらかに掛かったカイワリが15尾、
他にハナダイが1、ムシガレイが2であった。
一方、本当は一尾でもいいから
マダイに掛かって欲しかった先針に掛かったカイワリが7尾であった。
上針にかかったカイワリのほとんどは
マダイ狙いの棚どりの最中の
コマセの振出しに飛びついてきて掛かったものであったが、
終盤はカイワリが浮いてきたのであろうか
先針を真鯛の棚にセットした後の
高い棚(7~8m位の中層)で来たものもあった。
コマセに突っ込んでくるカイワリの性格が良く表れた結果だと思う。
一方の、反対舷側の
カイワリ狙いの仕掛けに掛かったカイワリは17尾、
他にハナダイが1尾、ムシガレイが5尾、ホウボウが1尾であった。
こちらの竿の方が全体で少ないのは
置き竿にするつもりであった左舷側の
五目仕掛けを付けた竿が予想以上に忙しく
本来手持ちにする積りであったのにあまりかまってやれず
寧ろ置き竿にしてしまったせいが多分にあり、
2.5m吹き流し仕掛けが
カイワリ釣りに向いていないわけではないと思っている。
先にも書いたように
この仕掛けを使っているととにかく楽しい。
退屈しない。
海の中の景色が入れ替わり立ち替わり変わっていく、
妄想がどんどん広がっていく中で、
3本の針のそれぞれの役割をイメージしながら
シャクリ方を変えたり竿の置き方を変えたりと、
そして掛かった後も果たしてどの針に掛かったのか
海面を覗き込むのが待ち遠しくなってくる。
始めは不精仕掛けよろしく
先針をマダイ棚にセットして
置き竿にするつもりであった五目仕掛けの竿が
この日はほとんど手持ちの竿になってしまった。
まさに仕掛けを操る感じで
攻める釣りになるために
手持ちが当然と言えば当然であろう。
当面、五目漁師のコマセ釣りでは
お気に入りの仕掛けになりそう。
海底がフラットな伊東だからこそこんな釣りができますが、
根が険しい釣り場や
大津のように海底がロープだらけのところでは
不用意に先針を底に這わすようなことはできないですから難しいですね。
でも本当に楽しいですよ、一度やってみて下さい。
上針とロングハリスの間にサルカンを入れたのは
上下のねじれバランスが悪いためにハリスがよじれるのを防ぐためと
気持ちの切り替え点でもあります。
マダイ釣り仕掛けでよくやられるテーパーロングハリスよりも
上部にこれがあるために少し扱いにくくなりますが
慣れれば問題ありません。
さて、週初めに帰省jからもどりましたが出られる日はなし。
やっと土日のどちらかに行けそうな予報でしたが
結果的には駄目でした。
次は月曜日が良さそうですね。
そろそろ観音崎あたりに行ってみたいと思っています。
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凄い釣果ですさすが!
コマセは確かに近くに突進してくるイサキや鯵と
遠巻の真鯛手間の取り方が違うからこれは合理的ですね。
投稿: 飛竜丸 | 2018年5月20日 (日) 13時11分
上手い仕掛けですね(^^)
棚の探りも楽ですし、そもそも違う棚の魚を同時に狙えて便利です。
市販の真鯛の2本針は、1本は寄せ餌の役割かと思ってました(笑)!
岩礁の少ないポイント向きというのも思い当たる場所が伊勢町側にあるので試してみたくなります。
ご紹介有難うございますm(__)m
投稿: AP | 2018年5月20日 (日) 15時03分
こんばんわ
仕掛作りは面白いですね
市販の仕掛けでは狙い魚も決まってしまい
面白さに欠けます
また、時期によっては大きさも違い
鈎もハリスも、長さも変わります
私も似たような仕掛けで始める事が多いです
ロングハリス2本鈎、平均6m
エダ鈎は1m~1m50cmの位置にアジ、イサキなどと
考え方は一緒です
プラス、ハリスの太さ、鈎の大小、長さを変えて数種類と
15セットは作りますね
明日は観音崎ですか???
今、仕事の調整中ですが、サバに懲りているので
行けるとすれば油壷になりそうです
まぁー何処へ行っても変わらないと想いますが
ちょっと調べたい魚がいるので外洋です
投稿: 趣味人たけ | 2018年5月20日 (日) 19時27分
飛竜丸さん、こんばんは。
昔、ボートから箱眼鏡でサビキに突っ込んでくる魚、
サビキの回りをぐるぐる回る魚を覗いたことがあります。
魚種によって違った動きをするのは面白いです。
そんなイメージに対応させながら楽しませてくれる仕掛けです。
投稿: 五目漁師 | 2018年5月20日 (日) 23時26分
APさん、こんばんは。
正確には棚対応というよりも
ビシの間近でもコマセと餌を同期させればよい魚と
ビシの近くには寄ってこない魚の釣り分けだと思っています。
ロングハリス対応でコマセを同期させるために
皆さんシャクリのタイミングなどを工夫するわけですが
その際にカイワリがビシ直下の針に食らいついてくるので
結構トータル的な釣果はあがるようです。
投稿: 五目漁師 | 2018年5月20日 (日) 23時39分
趣味人たけさん、こんばんは。
仕掛け作りやシャクリのバリエーションは
海中の魚をイメージするところから始まりますね。
そのイメージが当たるも外れるも誰も正解がわからないところが
またいいところです。
私の場合も何種類か仕掛けは準備しますが
1種類については3セットまでと決めています。
4セット目が必要になった場合には
その仕掛けはその場には向いていない仕掛けだというふうに
諦めることにしています。
フグに先針をやられた時だけは現地で修理しながら対応しますが。
油壷はそろそろイサキでしょうか。
私は未だボが続いている観音崎で小さくてもいいですから
なんとかマダイを上げたいです。
明日もタイラバオンリーですのでどうでしょうかね。
投稿: 五目漁師 | 2018年5月20日 (日) 23時53分
こんにちは♪
むむ、その仕掛けには重大な欠点がありますね?
今の時期の伊東ではサバだらけになってしまいます。
夏の大津や観音崎でもサバだらけの危険が危ないです(笑)。
私もいろんな仕掛けを試してきましたが、今ではウィリーが一番です。
釣り味がいいです。
シャクッてる最中にガツンと来るのと、誘って釣ったという実感がたまりません。
今の時期の伊東や夏の大津ではマダイ狙いは1本針にします。
そうしないとハリスをたぐってる最中にサバが暴れて、上の針を指に刺してしまうことがあります。
♪あなたが刺した小指が痛い♪(古っ)状態ですね?(笑)
ウィリーは仕掛けが短いので、何とかビシをつかめれば、ハリスを1回掌に巻いてブッコ抜きすればいいだけですので、意外に針を手に刺すことは少ないです。
でもそんなウィリーにも欠点があります。
潮の早い観音崎には通用しません。
何とか観音崎にも通じるシャクリ方がないか挑戦してみます(笑)。
投稿: 腰痛持ち | 2018年5月21日 (月) 10時25分
腰痛持ちさん、こんばんは。
むむ、腰痛さんには重大な思い違いがあります。
私は既にサバには完璧に降参しています。
腰痛さんのように果敢にサバに立ち向かう気持ちなど全くありません。
サバの猛威には退散あるのみです。
それにあくまでも2本針、3本針のロングハリスとの比較です。
私も純粋に鯛を狙う時には6mか8mのロングハリス1本針です。
♪あなたが刺した小指が痛い♪、
ガキの頃に正にこの通りのちょっとした事故を起こしていますので
人以上に針刺しには敏感です。
ウイリー、良いですね。
上の仕掛けの写真もそうですが上2本の針がウイリーの時もあるんですよ。
投稿: 五目漁師 | 2018年5月21日 (月) 20時30分
ふーむ、これは面白い。
チラッと話には聞いていましたが、これはさっそくマネしたいです。
同時に違う棚を狙えるのは楽しそう。
ぜひやってみたいです。
投稿: 芋焼酎 | 2018年5月22日 (火) 06時40分
芋焼酎さん、おはようございます。
オーシャンのオヤジさんに”これなかなかいいですよ” と言ったら
マダイはやっぱり他のことをごそごそやらずに置き竿が一番いいよ!
と言われました。
仕掛け交換なしにという観点からですとこの仕掛けで上針2本に餌を付けなければ
それはできます。
ただ、最初の発想はそうでしたが使って見ると
棚の違い、用心深い魚とそうでない魚など、広い範囲の魚が狙い魚の対象になり
結局よく釣れるように思っています。
底で大サバ、中層で小サバとかも一気釣りができますよ。
投稿: 五目漁師 | 2018年5月22日 (火) 08時20分