今週末は2日連ちゃんの釣行予定がある。
2日連続で3時半起床、
逃げ場のない炎天下の釣り、
渋滞の復路を自宅にたどり着くや
(多分)大漁の魚の捌きと料理。
なんて考えただけでも疲れてしまい、めまいがしてくる。
しかし今はそれが楽しみで仕方ない。
で、この週中は体力を温存するためにじっとおとなしくしている。
そうだ先日バキッとやってしまった海明でも修理しよう。
割高な穂先修理はやめて新しいのを買ってしまったので
本体と2番ガイドと3番ガイドの間で折れてしまった穂先が
手元に残ることになった。
どうせなら少し性格の異なる竿に仕立ててみよう。
(なんて、意図的ではなく
やむなく変わってしまうというのが正直なところであるが)
実はこの竿にはカーボンチュブラー穂先と
グラスソリッド穂先の2種類がある。
買う時にはそれぞれ片方のみしか在庫がないお店に何度か通い
触ってみて、振ってみて迷ったが
結局丈夫で感度が良いと言われるチューブラー穂先の方にした。
その丈夫と言われたチューブラー穂先が
何故か簡単に折れてしまった。
そこで、こんな無垢のグラスソリッド穂先を買ってきた。

先経1.2mmm、確か600円くらいだったと思う
つまり購入時に迷ったもう一方のグラスソリッド穂先に
改造修理してみようという魂胆だ。
ガキの頃から竹竿にガイドを付けて投げ釣り用の竿を作ったり、
折れた竿に添え木をして補修したりした経験はあるが
本格的な修理は初めてなので
もう二度とこんな事はないだろうとは思いつつ
今後のためにも修理記録を残すことにした。
(少し記事が長くなるぞ)
工程は
一番難しいソリッド穂先を折れたチューブラ穂先に継ぎ合せる、
いわゆる印籠継ぎ。
これさえ上手く行けば
あとは素人では所詮頑張っても限度がある塗装と
折れた竿から外した面倒なガイド付け。
この三つだ。
先ず、折れた穂先とソリッド穂先を見比べて継ぎ場所を決める。

準備したソリッド穂先の先端経は1.2mm、
先まで比較的太いチューブラー穂先(先端経1.8mm)に比べると
急に細くなる。
本来なら調子優先でソリッド穂先部の長さを決めるべきであろうが
ここではあまり細い部分での印籠継ぎに自信がないことと
折れたチューブラー側との太さが合うこと、
その上で丁度ガイドがある所を探し、
結局折れた竿の6番ガイド(写真右側のガイド)の穂先側で継ぐことにした。
先ず、接続箇所にあたるガイドを外す。
竿に傷を付けないようにガイドの脚の上部にカッターをあてて
少し切り込みを入れる。

えいっ面倒だ!
カッターで巻き糸をまとめて一気に切ってしまおうすると
歯を滑らせたりして竿に傷を付けてしまい万事休す(と想像しつつ)
ここは面倒でも糸の端を探してほどいていくのがよさそうだ。

ガイドがはずれたら
切断部分をカッターで転がすようにして直角に切り落とす。

カーボンチューブラーの輪切りは
思っていたよりも気持ちよく簡単にできる。
あとはおまじないのように適当なドリルを突っ込み
チューブラーの内側を掃除しておく。

そしていよいよ印籠継ぎに着手する。
ここにチューブラー穂先の外径に合わせたソリッド穂先の根本を
チューブラー穂先の肉厚分だけ細くして差し込む。

チューブラーの切断面をよく見ると
厚みが一定ではなく少し太い部分がある。(写真下側)
これは製造上のチョンボではなく
カーボン繊維を巻き付けるときにできる重なり部分で
スパインと呼ぶらしい。
通常はこの部分を背にしてガイドを取り付けるらしい。
もちろんここでやる印籠継ぎにはこんなことまでは考慮しない。
細く削る差し込み部分
(今回は強度と曲がりを勝手に考慮して差し込み長さを3.5cmとした)
の境界がわかるようにマスキングテープを巻いて
こんな風に電気ドリルにかけて竿を回転させながら
ヤスリをあてて削っていく。

最初はドリルにかけて平ヤスリで削ろうとしたが
平ヤスリだと
一瞬の油断で削り過ぎてしまう危険性と
ヤスリの幅が狭いので一様に削ることが難しいことがわかった。
(初めてのことなので短く切り取って
残ったソリッド穂先部分を使って試行錯誤した結果)
そこで、布やすりを使ってこんな専用ヤスリを自作する。
右側には#400、左側には#240の布ヤスリを
3cm幅の木材に両面テープで貼り付けた。

印籠継ぎのための削り部分は3.5cm、
自作ヤスリの幅は3cmと少し狭めにした。
削りながら少し左右に滑らさないと
紙やすりの凹凸の癖が反映されてしまうことを心配したからだ。

少し削る度にマジックで色付けし削ると均一性の確認がし易い。

おっと、ここだけは不用意に外に出ると直ぐにやぶ蚊に刺されるという
不憫な体質のヨメサンにお願いして
穂先の先端をそっと支えていただく。
(最初はドリルの回転を止めんばかりにぎゅっと握ったために
アチチ!とか言っていたが、指先でそうっとでよい。
因みに世捨て人の五目漁師はやぶ蚊にも滅多に刺されることはない)
残念なことにグラスソリッドは
ドリルのチャックで挟む部分だけは根元側に残しておく必要があるので
どれくらい削れたかは非常に目測しにくい。
とにかく削り過ぎは禁物なので
いい加減に削ったところでドリルから外して
チャックで挟んでいた部分を切り落とし、

今度は平ヤスリでチューブラ側との嵌合を確認しながら
少しずつ少しずつ削っていく。

理不尽なことではあるが
竿は当然のことながら根本に行くほど太くなっている。
つまり、印籠継ぎの部分は先端が入ると
奥の方では少しがたつきができてしまうのは仕方ない。
できた!

バッチリ!

ここで、ネットで見つけたガイドメーカーの資料を参考にして
竿を支え治具を作る。
ここから先、色を塗ったり、ガイドを付けたりする際に
何かと便利に使えそうだ。
こんなものなら、物置に転がっている材料で10分もあればできてしまう。
こんな風に使う。

さて、印籠継ぎや、先ガイドの接着には2液混合のエポキシ系接着剤を使う。

先に書いたように、
印籠継ぎ部分はいくら上手に嵌合させても
所詮奥ではがたつきがあるので
ここではタップリと接着剤をつけて接着する。
はみ出した接着剤を拭き取り、
乾燥後、更に#800の紙やすりがけをして、
できた。 我ながら完璧!

ここまで来ればもうこっちのもの、
塗装もガイド付けも失敗すれば、あるいは気に入らなければ
何度でもやり直しができるからだ。
塗料やガイド巻き用の糸を揃える。

本当は元の海明と同じシルバーにしたかったが
お店になかったのでグラスソリッドには白を塗る。

ガイドは穂先が細い先調子のグラスソリッドになった分を考慮して
元々の竿についていた数よりも一つ増やすことにして、
取り付け位置にテープで留めて配置する。

後は糸を巻いて固定していくが、ここでも試行錯誤を繰り返す。
購入した赤色のメタリック糸は
LDBガイドを止めるには少し太過ぎた。
ならばと0.8号のPEラインを使ってみると締りは良いが、
手持ちの安物のハサミでは
折角巻いたPEが簡単には切れずイライラが募る。
結局飾り巻き用にと買ってきた金糸を使うことにした。
ただ、巻いてみるとラメの入った金糸はあまり品が良くない、
そこで白の塗料で塗りつぶす。

うーん、白衣の穂先か~、
何を言ってる! これも良くない。
結局、オリジナルの海明を真似てオレンジの蛍光塗料
(と言っても100均で買ってきたマニキュア用)に落ち着く。

これで、欲しかったソリッド穂先の海明ができあがった。

シマノ海明のソリッド穂先仕様の型番には
標準錘負荷数字の後にSが着くが240cmの長さはない。
これはさしずめ50S-240ということになる。
さて、最後に五目漁師が中深場のアマダイ釣りやオニカサゴ釣りで
一番良く使う40号をぶら下げてみよう。


この竿は元々、「変幻調子」、
つまり誘うまでは7:3調子、
魚を掛けてからは6:4調子と理想的に変化し、・・・
とシマノのカタログには謳っている。
この写真は平行に並べた竿を少し上から撮っているが
下の写真の右が新調した元々の50-240、
左が改修で生まれた50S-240の曲がりだ。
どこが変幻調子なのかわ良くわからないが、
新竿はソリッド穂先独特の先調子で
いかにも食い込みが良さそうではないか。(本当?)
継ぎ目は7番ガイドの前脚の部分だが
特に不自然な曲がりはしていないし
これだったらわざわざ新しい竿を買うことはなかったかな
と自画自賛。
ネットでいろいろ調べていると
海明が折れたという記事が結構目立ちました。
色々調べるのに半日、
修理に約2日(塗料の乾き待ちも含む)かかりました。
費用はグラスソリッド穂先、先端ガイド、
塗料や糸類などで3500円程度。
これも釣りの楽しみ方の一つですね。
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