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2015年4月11日 (土)

釣果統計(真面目な話しその2)

さて、前回(1549日)の記事では
2006年から現在に至るまでの釣果を評価し
点数を付けるところまで終わった。

この段階で時間のかかる作業はほとんど終了したと言える。

今回はこのデータに基づき
様々な切り口で統計量を観察してみることにする。

先ずは、結果が予想通り
というか理解し易いシーズナリティからグラフ化してみよう。

釣り師がボート釣りに出掛ける際には
今頃行って何が釣れるんだろうか?
こんな寒い時には嫌だね。
逆に暑い時も嫌だね。・・・

勿論こんな風に選り好みしたところで
乗りたい時に乗れるわけではない。
雨は降るし、風は吹くし、嵐もあれば、台風もある。

寧ろ乗れない時の方が多いくらいだ。

それでは結果的にボートが出た日って
一体どれくらいあるのだろうか?

 

Photo

このグラフは20062月から20153月までの
月毎の出船日数を示している。
(正確にはブログに釣果が掲載された日数)

予想通り、4月ころから出船機会が多くなり
少ないと予想した真夏もなんのその、
11月ころまではほぼ横ばいである。
12月、1月~3月は釣れないし、寒いしで出船機会が少し低い。

グラフはあくまでも10パイのボートの内
少なくとも1パイが出た日の数であって、
出船したボートの数ではないことに注意がいる。

そんな数字がわかれば
ボート屋さんの財布の中が見えてしまうことになる。

トータルの出船回数をこの間の9年で割り算すると
年間の平均出船回数は約135日ということになる。

これだけしか出られないのは
やはり天気による要因が一番大きいような気がする。
春には荒れ模様の天気が続くことが多いし、
秋に台風が来れば1週間は出られない悶々とした日が続く。

次に、釣果のシーズナリティを見てみよう。

少なくともボートが出た日だけを対象にするために
先ず月々の釣果合計をその月の出船回数で割り算(正規化)する。

更にシーズナリティの観点から比較しやすいように
(最大釣果月の値が1になるように)
一番釣果のあった月の釣果で割り算した結果を示している。

 

Photo_2

サバやソーダを除いた釣果は
4月~6月と10月にピークを迎える。
7月、8月はやはりうだる暑さの中で釣り師の集中度が落ちるのか、
魚の食いが悪くなるのかわからないが釣果が落ちる。
年間の釣果のピークを10月に迎えたかと思うと
11月には急速に落ちるのは少し以外な気がする。

一方、サバやソーダを含めた釣果のシーズナリティも
同じような形をしているが
サバ、ソーダ無視のグラフよりも10月にピークが来ているのは
5月、6月にはなかったソーダの釣果が10月に増えるからであろうか?

次に、魚種ごとのシーズナリティを見てみよう。

 

Photo_3

このグラフもあくまでもシーズナリティを観察するために
縦軸目盛の1がピークになるように正規化しているので
魚種間の釣果を比較するものではない。

注目のカイワリは4月と11月に明らかなピークを迎える。
予想通りだ。

一番、シーズナリティが顕著に現れているのはイナダ。
イナダを釣るなら10月しかないでっしょ!
という結果になっている。

マダイは12月と1月、
ハナダイは4月に釣果のピークを迎える。

以前から感じてはいたが、
どうやら伊東には乗っ込みマダイの訪れはないようだ。

キスについても見てみた。

 

Photo_4

キスの釣果についても釣果表の中では
貧、普通、大漁の3段階で示したが
ここでは釣果に拘らず
キス狙いのボートが出た正規化回数を表示してみた。

予想通り7月をピークに
6月~8月がキス釣り師達の出番であることがわかる。

真夏には落ち込むと予想していた出船回数が
意外に落ちこまなかった理由はこれのようだ。

カイワリについては平均釣果数がわかるように
最大数による正規化をやめたグラフがこちら。

 

Photo_5

グラフの形は魚種ごとの釣果のシーズナリティの中で示した
カイワリのグラフと同じであるが
縦軸の数字を見れば一回あたりの平均釣果数がわかる。

4月と11月の数字が約5.6であることから、
これらの月ではボートが出た日の
(調子が良い釣り師の)平均数は5.6匹であることがわかる。
意外と少ない。

自慢じゃない、いや自慢だけども
五目漁師が昨年釣った155尾のカイワリも
4月の釣果を持ち上げるために十分貢献している。

さて、いよいよ最後に潮汐対応のグラフを示してみよう。

 

Photo_6

何じゃこれは?

と思われる方が多いと思う。

でも私の実感とはあっている。

オーシャン釣具のオヤジさんもいつも言う。
大潮、小潮は関係ないよ!
伊東は時刻だと。

予約の電話を入れるといつも教えてくれる。
今は1時ごろがいいよ、朝早く出たって釣れないって! などと。

これはカイワリの潮汐対応の正規化釣果

 

Photo_7

同じくイナダの正規化釣果。

 

Photo_8

うーん、これは難しい。

“イナダはどうやら大潮と中潮の時は駄目なようだ”
と判断するも
単にサンプル数が少ないためにばらつきの一面が出ているだけ
と判断するも
どうぞご勝手に。

因みに、潮回りが少ない若潮や長潮時の
9年間の(掲載分の)イナダのトータル釣果数は約20尾、
一番潮回りが多い中潮時でさえ65尾であるから
まだまだサンプル数が十分ではないのかもしれない。

こちらは更に細かく見るために月齢対応の正規化釣果だ。

 

Photo_9

更に横軸目盛当たりのサンプル数は減ってくるので、
うーんこれもなんとも言えない。

30年後くらいにまだ釣果記録が続いていたら
どなたかやってみて欲しい。
私には関係ないが。

まだまだ切り口はあるが
あまり細分化していくとやはりサンプル数の問題が出てきそうなので
ここらへんが限界のような気がする。






時々刻々変わる潮の満ち引きに対応した釣果情報があれば色がつくのかも知れませんが

 

そんなデータはとるのも整理するのも大変ですね。
潮汐と潮流、必ずしも一致しませんし、難しいです。

私は伊東で釣る限り以前から潮汐は気にしていません。

 

潮の満ち引きと時合いが関係しているなら慌てなくても

 

一日真面目に釣っておればどこか巡り合うでしょうって感じです。

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<!ー300データー>」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。

よくもこの大量のデータをまとめてすばらしいです。
いつもながら五目さんの説得力のあるプレゼンにのみこまれました。

なるほど伊東では潮汐が関係ないんですね。
今月カイワリに行きます、そんな気にさせられました(^^)/

そう思ったのは多分自分だけじゃないでしょう。
何人かの腰が重いボート師の心が動いたと思います(笑)

素晴らしい分析です。
特に、魚種毎のシーズナリティや月齢ごとの釣果は大変興味深いものがあります。
こちらの海域にも共通するところがあり、参考になります。
また潮名毎の釣果には驚きました。
まったく意外な結果でした。今までの常識の様に小潮はダメなどと言ってまっしたが、認識不足でした。たしかに小潮で好漁したこともあります。
貴重なデータの公開をありがとうございました。

buruさん、こんばんは。

伊東に関しては潮汐と釣果は関係がないというのは私の実感でもそうですし
ボート屋のオヤジさんも言ってますから正に今回の結果の通りです。

伊東に関しては潮汐と潮流の関係も難しいです。
小潮の時にバンバン流れたりすることもあります。

なので、安心して天気の良い日にカイワリ狙いに行って下さい。

釣吉さん、こんばんは。

私もシーズナリティがこれほどくっきり出るとは思っていませんでした。
カイワリは春と秋と言うのは特徴的ですし、マダイが真冬というのも伊東の特徴ですね。

潮汐との関係については場所や海底の地形によって影響の度合いが違うと思います。
「上げ3分」「下げ7分」とか言われますが
これもなかなか実感として思い当たらないです

磯釣りや波止場釣りでは潮の満ち引きで地形すら変わってしまいますが
沖のボート釣りでは影響が小さいのかもしれません。


おはようございます。

すごいですね。
データというものはこうやって使うんだというお手本のようです。

観ていて思ったのは、4月はカイワリとハナダイを狙え。
次回の伊東ではウィリーも出してみようと思いました。

潮まわりが関係ないのは私も同感です。
海岸線が大きく弧を描いている地形なので、早い潮ははるか沖を通過するだけで潮がゆるいのが伊東の特徴。
だからこそイワシが産卵するゆりかごに最適で、それを狙うカイワリがくるのではないかと思っています。

芋焼酎さん、おはようございます。

TVの視聴率はたったの数百世帯の視聴結果から
例えば関東数千万人分の視聴率を割り出しているそうです。
統計量の性格にもよりますが、釣果統計の場合はどうなんでしょうね?

ハナダイ、カイワリ狙いにウィリーはいいと思いますが
ハナダイは伊東では絶対釣果数がしれていますからわざわざ狙う魚ではないと思います。
シーズンは違いますが冬のマダイの方が圧倒的に多いです。

なるほどゆりかご説ですか、
カイワリは温泉がお好き。 伊東の海底温泉に集まってくる・・・など
どこにでもいるアジや鯛と違って伊東に特にカイワリが多い。
謎ですね。

こんにちは、昨日の天気は福浦の勝ち(?)でしたね。

さて、統計結果
伊東は潮は関係無いのですね。
それよりも、食う時間か。
おやじさんが、口癖の様に言われるセリフの裏付けが出来ましたね。

驚いたのが、カイワリには11月に春に負けないピークがあるんですね。
昨年からしか伊東の海を知らない私には驚きです。
マダイが12月は嬉しいです。
この冬は、ゆっくりした気持ちで狙ってみたいです。

しかし、一番不思議なのは、1日55尾もカイワリを釣る凄腕釣師の五目さんに、更にこんな特技がある事
暇だから出来る事ではありません。
五目漁師とは、いったい何者なんでしょうか。(^ ^)

ananさん、こんばんは。

そうですね、まるでananさんに勝ったような気持ちです。

カイワリは秋も調子いいですし、
秋にはイナダやカンパチなど豊富な魚種の中で釣れますので
より面白いです。

ただ昨年は余りにもフグが多く、秋のシーズンはありませんでした。

さて、55尾釣るのはいつでも釣りに行ける私の特技かもしれませんが
こんな統計は普通のおっさんなら誰でもできることです。
それよりもオーシャンのこのデータは本当に凄いです。
一年や二年やるのは簡単なことですがオヤジさんが健在の間はきっと続きます
正に継続は力なりを感じます。

五目さん、
こんにちは。
まさに統計学ですね。
もう学問の域です。さすがですね。
私は以前の釣りなんて感覚的にしか残ってないです。
恥ずかしくなりました(..)
「伊東は時間だよ」の理屈ってどーいった
わけなんでしょうか?
面白いですよね。

COZYさん、こんばんは。

ははっ、集計しただけですからそんな大袈裟なもんじゃないですよ。

自分一人のデータの集積ではここまでは集められませんし
どうしても個人的な色(サバは釣らないとか、マダイは下手くそとか)
がついてしまいますからフラットな結果が出てこないでしょうね。
このデータはそういう意味でも優れものだと思います。

伊東は時間だよ、何故でしょうね。
オヤジさんは日々の釣りを毎日とは言いませんが、
一年135日見てますからね。

潮の他に何が考えられるか? 時刻に関連するとすると
時々の海の状態+光の差し込む角度
伊東ならではの海底間欠温泉の吹き出すタイミング
・・・

わかりませんね。

五目漁師さん、こんばんは。

統計学はまさにマスデータから抽出する相関で、
自分のような週末釣り師にとっては
サンプリングの母数が少ない分、どうしても釣果の変動が大きくなってしまいます。
先週は釣れたのに、同じような気象条件で今週はからっきしとか。

結局当日の釣り場での臨機応変に対応できる柔軟さが釣果につながる気がしますが、
思い込みが激しい自分のようなボート釣り師にとっては永遠の課題ですね

五目漁師さん、こんばんは。
こうやってグラフ化すると、同じデータでも非常にわかりやすくなりますね。
前回の生データで感じ取った傾向が、グラフによって証明されたような気がします。
今回のデータで今までの認識と違ったのはやっぱり真鯛です。
春の乗っこみ、秋の落ち前の荒食い、が鯛のイメージですが、データだと冬なんですね!
あ、ところで前回のコメントに、「ぐっちゃんがバリや沖縄に遊びに行っている間に」ってありましたが、
両方とも仕事ですからね(笑)
外房のヒラマサデータを作ってお見せしたいところですが、統計を取るまでも無く、
5月に大きなピーク、12月に小さなピーク、あとはポツポツ、で完了です(爆)

flex-p さん、おはようございます。

統計量はもちろんflex-p さんのような釣○○、そうでない方
腕の達者な方、そうでない方
私のような暇人、そうでない方
いろんな釣り師の結果を含めての期待値ですから
仰る通り個々の状況と期待値が必ずしも合致するとは限らないですね。

このグラフを見て冬は鯛が釣れるはずだ
10月に行けばイナダが釣れるよ
で、竿を出してみたところで釣れない。

世の中の期待値がそうであっても
母数の一人として含まれる個々の釣り師が決してそこに引き込まれるわけではないですから、
確かに、結局その場その場で臨機応変にどう対処できるか、するかだと思います。
これが重要ですね。

ぐっちゃん、おはようございます。

どうだったでしょうか、恐らくぐっちゃんのイメージ認識からはそんなに外れていないと思います。
(オヤ? この言い方、寧ろこちらから合わせに行ってますね)

マダイはどうなんでしょう?
どこもが産卵に集まる場所になり、荒食いする場所になるとすると
マダイの数が足りなくなります。
伊東はきっとその場所から外れているんでしょうね。
ですから逆にいなくなる。 どうでしょうか? この新説は。

回遊性の青物は動きがはっきりしていますね。
居つきのアジやわけの分からないサバ野郎は別ですが。

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