アンカリング考
海は広いーな♪大きいなー♪
といえども魚が釣れるポイントは案外狭い。
時と所によってはアンカリングが大いに釣果を左右する場合もあり、
手漕ぎ船長の腕の見せ所でもある。
2kgダウンホースアンカー+ロープ(70m?)
ボート屋さんには大概ボート毎にアンカーが備え付けられているので
自前で持っていくことはめったにないが。
小型船舶操縦士教本によれば
“アンカーロープは走描を防ぐために
底質にもよるが水深の数倍程度に延ばすとよい”
とある。
つまり、水深が40mなら(3倍の場合には)
120mも延々とロープ延ばすことになる。
我々の様な手漕ぎボートの場合は
走描すればまた打ちなおせばよいし、
第一こんなにロープを出した日には
自分が入りたいポイントに対する命中率も落ちてしまうため
ロープの長さはせいぜい水深の1.1~1.3倍程度であろうか。
こんな状況下、
好ポイントには当然のことながら多くのボートが集まって来る。
基本的には先に入ったボートから順にアンカリングし、
お互いにボート間の距離を保って
邪魔にならないように釣ることになるが、
問題は
風向や潮流(風・潮)の変化によって
やがてボートの相対位置関係が変わり、
ボート同士が異常接近してしまうことである。
こんな時も後からアンカリングしたボートが
気を利かせて場所をゆずってくれればよいが、
気の弱い船長ならさっさと自分からアンカーを上げて
移動することになる。
(私も気は弱いが、
先にアンカリングしたのがこちらであればとりあえずは知らんぷり、
後からアンカリングしたのであれば
すみませんと一声掛けてアンカーを上げることにしている)。
さて、私がよくお世話になる貸しボート店では
ロープの長さが45m程度であるため
水深が40mなら余分に出すロープ長は最大でも5mということになる。
この例では、風・潮の変化によって
ボートはアンカリングポイントを中心に
絵のように円周上を移動することになる。
そもそもこれだけボートが移動すれば
例えば、釣れる根をはずしてしまうため、
風・潮の変化の度、
アンカーを打ちなおさなければならないような釣り場は別にして、
伊東の様な海底が比較的フラットで大らかな釣り場では
この程度の場所移動は私の場合は許容範囲である。
次の絵はこのような2艇のボートが
隣接してアンカリングされた場合のお互いの動きを示している。
それぞれのボートがアンカリングポイントを中心に
円周上を移動するために、
始めは適当に離れていたとしても
風・潮の変化次第では接近してしまうこともある。
私がお世話になるボート屋さんでは
アンカーロープの長さが各ボートでほぼ同程度に合わせてある。
実はロープの長さを合わすことには大きな意味がある。
結論的に言えば
これは多くのボートが同じエリアに集まるボート釣りにおいて
アンカリングの理想的なケースと言えよう。
次の絵に示すように
アンカーロ―プ長が同じ2艇のボートは
アンカリングポイント間を底辺とする平行四辺形において
風・潮の変化に対して向かい合う辺の二つの頂点上を移動するため
常に一定の距離を保つことができる。
ボートの数が増えても
各ボートのアンカーロープの長さが同じに合わせてあれば
各ボートが最初からぶつかり合うようなアンカリングをしない限り
その後において干渉し合うことはなく
全ボートが安心して一日釣りができるというわけである。
ただこれはあくまでも理想的なケースであり、
ロープ長はお隣のボート屋さんとの間で合わせてあるわけでもないし、
仮に合わせておいたとしても
釣り師によっては
風・潮が静かな時には移動範囲を最小限するため
ロープを短めにもやったり、
たまたまアンカーの着地点が高根のトップであったりすることもあるため
実効的なロープ長はばらばらになってしまう。
そこで、五目漁師は原則的には先行艇の風・潮下側
(先行艇のアンカーの下側ではなくボートの下側)に
アンカリングすることにしている。
こうしておけば、絵のようにその後の風・潮の変化による
ボート間の接近を防ぐことができる。
但し、自艇のボートのロープ長が
先行艇のロープ長よりも長い場合には
絵のように下側とは言えその後の風・潮の変化によって
ボートの距離が縮まることがあるので
(相手と自分のロープ長がわかっているわけではないことも含め)
余裕をもって風・潮下側にアンカリングすることにしている。
また、次の絵に示すように
先行艇との間に風・潮下側の場合と同じだけの距離を
最初に確保したとしても、
風・潮の上側付けや横付けの場合には
その後の風・潮の変化によってボート間の距離が縮まる場合があるため
いずれ再アンカリングをしなけらばならないことを覚悟しておいた方が良い。
まとめ
・あくまでも五目漁師が普段実行しているアンカリングの原則
について整理してみた。
・実際には相手のアンカーロープの長さはもとより、
自分のロープの長ささえ正確にわかっているわけではないし、
また、海底には急なかけ上がりやかけ下がり、根あり、深みありで
アンカリングポイント毎に水深が違ったりするので
風・潮下側アンカリングの原則に基づき、
余裕(先行艇の船尾から風・潮下側にアンカー投下点までの距離をとる)
をもってアンカリングする必要がある。
・風・潮下側アンカリングは走描時にも安心であるし、
また風・潮下=潮下である場合には
先行艇の撒き餌下でもありうれしい原則と言える。
・アンカリングの際にはこのような原則を意識しながら
ドボン!とアンカーを落とすだけではなく、
しばらく自艇の動きや先行艇と自艇とのボートの向き関係、
距離関係が一定になったかどうか、
ロープは張った状態ではなく弛んだか
(張っている状態ではまだアンカーが効いていない)
などに注視する必要がある。
・更に、無風無潮時のロープの弛みによる予想外のボートの接近や
海中にある互いのロープの位置にも注意する必要があろう。
アンカリングは手漕ぎボート釣りではボート漕ぎと並び
一番先に身につけねばならない技ですね。
ドボンと落とす時は俺が船長だと感じる瞬間でもあります。
それだけに、ボート屋さんが
どんなアンカーを準備してくれているかは一番気になるところですね。
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五目漁師さん、こんばんは。
アンカリングにもいろいろコツがあることがよくわかります。
それにしても、水深の1.1~1.3倍のロープで、底が砂地だと止まらないように思いますが…。
また、ロープの遊びが短いと、波や潮流が強くなった時に危険な気がします。
という訳で、僕はアンカリングには水深の1.5~2倍のロープを出します。
ただ、せいぜい水深20mくらいまでで、それ以上になるとアンカリングそのものを諦めます。
ロープは70m以上あるのですが、揚げたり降ろしたりがわずらわしいんですよね。
そもそも、よく考えたらこの1年くらいアンカリングしていません。
スパンカーもなし、シーアンカーも使っていないので、どてら流し専門ですね(笑)
アンカーに付けたスチールのチェーンが錆びてしまって、えらいことになっています(汗)
投稿: ぐっちゃん | 2013年11月28日 (木) 00時02分
ぐっちゃん、こんばんは。
確かに1.1倍というのは短いですね。
私も実際に計ったことはないのですが、
いつも40mのところでアンカーを落とすと着底時に手元に残っているロープは4、5mくらいしかなく
最後に残った分を全部出し切って終わりですので、余裕が5mくらいかなと思った次第です。
そもそも落ちていくときに斜めに落ちていくのでもう少し長さはあるかもしれません。
今度確かめておきますね。
波があるときには上下動で反転用の紐が切れ走描することがよくありますので
短か目であることは確かなようです。
コマセ釣りはアンカリングが決まらないと落ち着いて釣りができないですね。
伊東や川奈のアンカーは軽くてよく掛かる四爪描やホールディングアンカーなのですが
複雑な根があるようなボート屋さんのアンカーは漬物石タイプですから
本当に重たいですよ。
投稿: 五目漁師 | 2013年11月28日 (木) 00時56分
全く、仰るとおりです。
このことは全ボート釣りファンには伝えたい事柄ですね。
こちらはアンカーロープを最長200mまで伸ばすことがあります。
先行艇の円周の外側に自艇のアンカーを打つことがマナーであり、またルールでもありますよね。
それでも私の艇の場合は風と潮に艇を任せっぱなしにせず、スパンカーと舫う位置により艇の位置をずらしたり、
あるいは、エンジンでペラを回し、クラッチを滑らせながら、走錨しない範囲で艇を動かし、
釣りたいポイントに艇を動かすこともあるので、さらに円周の半径を2倍にすることもあります。
投稿: 清兵衛 | 2013年11月28日 (木) 10時21分
こんにちは!のりべんです(^-^)
『といえども魚が釣れるポイントは案外狭い。』
仰るとおりですね。陸釣りからボート釣りに移行した時、
まさかこんなに狭いとは!と思いもよりませんでした。
良く釣れるボート師が近くにいればなおさらです。
どうにかおこぼし頂けないかと必死でした(今もですが(笑))
アンカリング考。清兵衛さんがおっしゃる通り、
全ボート釣りファンには伝えたい事柄ですね!
のりべんがどうしようもないと考えるのが
無風のときに周りが密集しているとき。
寄ってきてぶつかりまくってあわや転覆。
ヒヤリとした事を憶えています。
投稿: のりべん | 2013年11月28日 (木) 12時33分
アンカリング、これは大事ですね。
最近はオニカサゴで忙しいため、あまりアンカリングする機会がありませんが、旧MAC前などのポイントではアンカー打っていました。ここは23m位なので27~28位出していたかなぁ。近くにボートが来るところなので、やはり邪魔にならないよう気をつけていました。でも中には平気で流してきて、声をかけないとぶつかりそうな人も結構いましたね。やはりマナーはしっかりしないといけないですね。
40mのアンカリングやってみたいところがありますが、これほど深いと上げ下げ、特に上げることを考えると怖いですね。波が大きくなると上げている間カヤックは不安定なので・・。それにロープの長さも場所をとるので今は考え中といったところですか。
しかしMAC前に自分のアンカーが4つは沈んでいます。もちろん反転用の紐も付けたりマッシュルーム型でやったりとしたのだけど、持っていかれました。(笑)今はアンカーゼロです。(笑)
投稿: ume | 2013年11月28日 (木) 17時15分
清兵衛さん、こんにちは。
ボートを自在に操る名船長ぶりが目に浮かびます。
エンジンつきだと片手で舵、もう一方で竿の流し釣り
また、逆にポイント回りに留まって釣ることができますが
手漕ぎはこれができないのが一番の難点ですね。
それだけにアンカリングはますます肝になります。
同じエリアにエンジン付がいる場合には
ロープの長さが手漕ぎに比べると随分長いので気になるところですね。
投稿: 五目漁師 | 2013年11月28日 (木) 17時32分
のりべんさん、こんにちは。
皆さん同じようにぐるぐる回るので結論的には
思っているほど接近しないんですが
無風の時はまったく不規則になりますから厄介ですね。
静かなのでついつい気も緩みますし
仕掛けを引っ掛けてしまい、気がつくと
自艇の真下にアンカーロープが弛んでいることがよくあります。
投稿: 五目漁師 | 2013年11月28日 (木) 18時09分
umeさん、こんにちは。
オニやアマダイのようにアンカリングなしの釣りは
適当に流れてくれるときにはいいですが、
手漕ぎの場合にはそうでない時に速さを調整できないのが辛いところです。
umeさんのカヤックは足漕ぎもありということは流れる速さが調整できるんですかね。
手漕ぎもせめて片手で漕げるといいんですが。
誰かいいツール考えてくれないかな。
伝馬船のように片手で漕げるツール。
反転用のロープって太いと切れないし、そうかといって細くしてしまうと
波が高い時などには知らぬ間に切れてしまっていて、
この状態で掛かってしまうとはずせないことがありますね。
、
投稿: 五目漁師 | 2013年11月28日 (木) 18時32分
おはようございます。
うんうん、そうだよなーと読みながらうなずいてしまいました。
ボートでは特に重要なテクニックですが、ここのところは釣り入門書にもあまりかかれていない?ような気がします。
ライフジャケットをつけろ~というのはよく書いてありますが。
潮の流れが変わると、ロープの長さの余裕分、ぐるっと反対側に移動します。
最初のうちはたしかにわからなかったです。
それから走錨すると、ロープを完全に全部上げるまでにボートはかなり移動します。
特にアンカーがブラブラしている状態ではどんどん潮に流されるので当然ですが。
走錨しているときは、このあたりも計算して早めに移動しないと、潮下のボートに衝突します。
あんな広い海で、なんでわざわざぶつかるまで何もしないのだろうと最初は疑問に思っていましたが、恥ずかしながら私も何度かヒヤリとしました。
投稿: 芋焼酎 | 2013年11月29日 (金) 08時15分
芋焼酎さん、こんにちは。
アンカリング(放り込み方、上げ方など)を見ていると、釣り方を見ている以上に
釣り師の技量がわかったりしますね。
私も気をつけたいと思っています。
おっしゃる通り、上げてる間に風・潮下側にどんどん流れます、
早めに対処しないといけないのですが
経験しないとわかんないですよね。
あと、根などに掛かって上がらない時の対処の仕方
観音崎を多く経験されているたけさんあたりが上手そうですが
これもいろいろノウハウがありますね。
投稿: 五目漁師 | 2013年11月29日 (金) 10時14分
五目漁師さん、
こんにちは。
適当に落として何回もやり直ししてます(笑)
なるほど~。あのやり直しの時間、もったい
ないと思ってました。
アンカリングだけ見ても奥が深いですね。
油壺は最近、アンカーが激軽で走錨します。
投稿: COZY | 2013年11月29日 (金) 18時32分
COZYさん、こんばんは。
アンカリングが決まらないと落ち着いて釣りができないですよね。
油壺のあのアンカーですと砂地ではどうしても走描するんじゃないでしょうか。
ロープを底に這わせるために前にも言ったかもしれませんがもう一つ小さい重しを
漬けもの石から1mくらいのところにくくりつけてみたらどうでしょうか。
これもロープが短いと効き目はありませんが。
あと、持って行くのはめんどうですが通販で買うとアンカーもロープも安いですよ。
投稿: 五目漁師 | 2013年11月29日 (金) 23時16分
素晴らしくわかりやすい図解ですね。
九州北部の海岸はどこまで行っても30メートル無いので、トラロープの先っちょに、
半分に割ったブロックが錘です^^;
手漕ぎゴムボ時代も、こればっかりでした。
楽しいのは、ブロックの穴に蛸が入ったまま上がってきて、釣った覚えのないたこが
ゴムボの中這いずりまわってました^^這い上がってきたのかと、お互いにびっくりして睨み合ってましたよ。
ダウンフォースアンカーやマッシュルームは時々抜けなくなるのが玉にきずです。
エンジン付であれば、潮がみにあがって、立錨させれば、割と簡単に抜けるし、
巻き上げるロープの長さも短くなるから楽なのですが。
潮が走り出して、ポンと錨が抜けるのも怖いですよね。
走錨して、並んだプレジャーの間をすり抜けたことも^^;
潮が走り出すと、動力なしにアンカーを抜くことすら困難なこともありますから、
ナイフは男子必携ですね。
投稿: 飛竜丸 | 2013年12月 1日 (日) 09時48分
飛竜丸さん、こんにちは。
記事を書いたお陰で皆さんから貴重な体験談や
参考になるお話を聞かしていただくことができました。
アンカー反転用のロープを切ればこの手のアンカーは殆ど抜くことができると思いますが
反転用のロープが切れたのを知らずに使っていて掛ってしまうともうなすすべなしですね。
以前抜けなくなった時にボート屋さんに切って帰るよと連絡したところ
今までに頑張って抜けなかったことはないから頑張ってよと言われてしまいました。
日が落ちて薄暗くなってくる中30、40分も頑張ったことがありましたよ。
ボート屋がきてくれたころにやっと抜けましたが、
ボート屋さんもロープが海に残るのをかなり嫌がるようです。
投稿: 五目漁師 | 2013年12月 1日 (日) 14時46分
はじめまして。
興味深く拝見いたしました。
大変勉強になるとともに幾つか気になる点もありますので、不躾ながらご参考までに
・「もやう」という言葉はアンカリングに使うものではないと思います。船と桟橋や船同士を繋ぎ止めることを意味する言葉で、その際に古くから用いられてきたのが「舫い結び」で、使用するロープが「もやい(索)」「係留索」「ホーサー」ですので、アンカー関係で私の周囲では聞いたことありませんし、それゆえ違和感がございます。
ブログ主様の周辺(海域やボート屋さん・マリーナ含めて)では普通なのでしょうか?
・外力が無い場合でしたらアンカーを中心に円内のどこかにいるのは確かですが、実際は風や潮等の合成した外力とそれを受けるボートの状態や形状に応じて振れ回り、8の字を描きます。
円周上を移動するわけではありませんし、アンカーロープ長その他の条件が同一でも振れ回りがシンクロすることはありません。
ただ、私の経験でも大体同じように動いているのは不思議です。
・揚錨時に大きく流される時は、予備の錨を入れたり、消火バケツなどで即席のパラシュートアンカーを流すという手もあります。
また、根かがり防止にはクラウン部に控え索をとってフロートブイを付けて浮かせて置くのが良いかと思います。ブイの下にアンカーがあるので位置の把握が簡単ですし、ブイの動きを観察すれば潮の変化もすぐ分かります。
長文失礼しました。
投稿: 通りすがり | 2014年10月21日 (火) 14時46分
通りすがり、さんこんばんは。
いろいろ教えていただきありがとうございます。
アンカーロープをボートに繋ぐという意味合いで“もやう”という言葉を使いましたが
なるほど、言われてみて違和感に気づきました。
素人の私が自分なりにある条件下での振る舞いを考察してみましたが
実際にはそれぞれに複雑な状況が絡みそうはいかないことはご指摘の通りです。
場所移動を頻繁にする手漕ぎボートですから
余り面倒なことはしたくないし
そうかと言ってボートが安定しないと落ち着いて釣りができないですし
難しいですね。
アンカリングのうまい、下手が結構釣果に影響します。
大変勉強になりました。
今後共よろしくお願いします。
投稿: 五目漁師 | 2014年10月21日 (火) 21時48分
恐縮です。
言葉は難しいですね。
この場合ですと、「結びつける」「繋ぎ止める」「クリートにヒッチする」といったところでしょうか。
「結ぶ(結わく)」と「縛る(くくる)」が厳密には違う概念なように、英語でも“ノット”“ベント”“ヒッチ”はそれぞれ意味するところが異なるようです。一部重複はしていますが。
ちなみに、重さでとめるのが「碇」「シンカー」で、爪で海底を掻くのが「錨」です。字の通りですね。
ちなみついでに錨が効いている最短のアンカーロープ長は水深の1.5倍とされています。この状態をショートステイ(近錨)と言います。
ここから立錨までは重さでとめているわけですが、特に漬物石の碇などでしたらシャンクの角度など関係ありませんので、条件が良ければ(ダンフォースでも)水深の1.1~1.3倍程度で有効かと思います。
まして走錨や転錨が前提の釣りでしたら。
このあたりはまさに腕の見せどころですね。
なおこのケースですと、振れ回り範囲が極端に狭いので、見かけ上円周を廻っているように感じられると思いますし、実際それに近い動きをしていると考えられます。
錨は、軽くて良く効いて揚げやすく場所もとらない、といった相互に対立する要素を求められますので、現実は妥協の産物ですね。価格はもちろん安価にこしたことありませんし。
従いましていわゆる大型・本船クラスでも、アンカーが完璧じゃないのは承知の上で至らぬ点は腕でカバーする。それがシーマンシップという考えのようです。
投稿: 通りすがり | 2014年10月25日 (土) 11時09分
通りすがりさん、こんにちは。
海には慣れ親しんできた私ですが勉強になることばかりです。
ありがとうございます。
貸しボートの場合は、通常はボートに備え付けのアンカーを利用します。
海岸の大きめの石を拾って荷造り用のビニール紐に結びつけただけもの
セメントを固めた漬物石タイプ、
特注や市販のアンカーなど様々ですが
何れもボート屋さんの経験からその周辺の底質に合わせた効きだけではなく
コストも考えた上でベストチョイスされたものだとは考えています。
私はアンカリングがうまくいかないと落ち着いて釣りができませんので
場所によってはたまに自分のアンカーを持参することもありますが
かさ、重さとも厄介な荷物になります。
投稿: 五目漁師 | 2014年10月26日 (日) 13時36分
こんばんは。
私は以前仕事で船に乗ってまして、今はヨットやカヤック、レンタルボートで楽しんでいます。
クルージングが殆どで、釣りはまずしません。
ただ、興味はあるのでネットで情報収集中です。
釣りの世界、皆さん本気過ぎと言いますか、自分の狭い見聞した範囲では近寄りがたい、ある意味殺伐としたイメージが付きまといます。
もっと気楽にシンプルに、船を出したついでに仕掛けもそこそこ狙いも特になく、数匹も釣れれば充分、釣れた魚を美味しく頂ければ大満足、といきたいものですが、なかなか敷居は高いです。
投稿: 通りすがり | 2014年10月30日 (木) 22時41分
通りすがりさん、こんばんは。
お仕事で船に乗ってらっしゃったんですね。
色々と教えて頂く言葉が専門的なのでそうではないかとは思っていました。
わたしは全くのお遊びですが若い頃から10年ほど前までディンギーにはずっと乗っていましたし
数年間はクルーとしてクルーザーにも乗っておりました。
釣りはその間もずっと続けていました。
私も含めブログを書いておられる方々は暇さえあれば釣りのことばかり考えるほどに打ち込んでいますが
趣味の世界の釣り自体に義務や規則があるわけではないですから
むしろ通りすがりさんのスタイルで気楽にやってらっしゃる方はそれ以上に多いのではないでしょうか。
投稿: 五目漁師 | 2014年10月31日 (金) 00時35分