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2013年8月 4日 (日)

なんとなく計算できたようなラインの流れ角度

今度の帰省はわけあって長引いている。
そこで帰省先から2回目のブログ更新になる。

先ずはわが故郷舞鶴の海。

 

Img00079s



西舞鶴と東舞鶴の間にある五老ヶ岳(標高300m)からの眺望。
今にも雨が降りそうな曇り空ではあったが相変わらずの絶景に
昔オヤジが連れて行ってくれたころの釣りの風景が重なる。

さて、半世紀も昔の思い出に浸っている場合ではない。
先の観音崎タイラバ釣行で
潮流の速さに舌をまいて退散したのも記憶に新しい。

一番重たいタイラバとPE1号を使ってみたものの
アンカリングしたボートから流したタイラバは
どんどんと斜めに流されながら出てしまい釣りにならなかった。

観音崎通の釣り師は80号や100号のビシを使っても
釣りになるのは潮止まりの前後だけだという。

潮流が早いときには重たいビシを使うのは当たり前であるが、
ではどれくらいの重さでいったいどれくらい斜めに出てしまうのか?

インターネットで調べてみたが案外見つからない。
そこでこの際、自分で計算してみることにした。

全くのちんぷんかんぷんの中、
いろいろ調べていくと流体力学とやらの端っこに
抗力という力の計算の仕方が出ているのを見つけた。

我々にとってむしろ馴染みのある揚力は
流体によって物体が流体の流れと垂直方向に受ける力、

それに対して物体が流体の流れと同一方向に受ける力を
抗力というらしい。

ははーん、しめしめ。

この抗力とやらの計算方法がわかれば
あとはなんとか応用で計算できそう。

で、このような図を描いてみた。

 

Photo



要するにビシに働く抗力が
道糸の先端で道糸を水面方向に引き上げようとするモーメントと
ビシの重力(正確には浮力分を差し引く)が
道糸を垂直に引き戻そうとするモーメントが
つりあったところで道糸の角度は決まると考えられる。

おっと、これだけでは面白くないので
細くて長い道糸(ここではPEライン)に掛かるモーメントも
計算に入れてみよう。

これは少し面倒であるが
水面からビシまでのモーメントを積分をすることによって計算できる。

PEラインは軽いので重力は無視し
糸の太さに掛かる抗力によるモーメントだけを考慮することにしよう。

細かい話(計算書)は

 

「calcu1.pdf」をダウンロード

 

に資料としたので興味がる方には是非ご覧いただき
"なんだこのインチキは!"
とご指摘いただければありがたい。

そうでない方も笑い飛ばす程度に見ていただいた方が
無難かもしれない。

さて、その計算結果であるが

観音崎の潮流は小潮の時に最大1ノット程度、
そして大潮回りには2ノット程度になるらしい。

先ず、一つ目のグラフは潮流が1ノットの場合

 

Photo_2



二つ目のグラフは潮流が2ノットの場合である

 

2



そろれぞれのグラフはPEラインの号数をパラメータに
横軸にビシの重さ、
縦軸に道糸の垂直線からの角度を示している。

例えば大潮の潮流が最速(2ノット)の場合には
二つ目のグラフより
100号(375g)のビシを使ったとしても
PEライン1号でラインの垂直線との角度は約45度、
PEライン4号では約53度となる。

うーむ
まんざらでもなさそうな感じもする。

実際に観音崎で釣っている経験豊富な釣り師の方いかがでしょうか?

でこれを計算するために使用した固有の値や参考値を
次の表に示しておく。

 

 

 

Photo_3


(*8月5日、計算書に一部記載ミスあり修正)


なんとなくうまく計算できたように思います。
メーカーからこれくらいの計算データは出して欲しいものだと思いませんか?

今週末あたりは釣行できそうです。
暑さも多少おさまってくれないかなと期待していますが。

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<!ー310考察、概説ー>」カテゴリの記事

コメント

五郎ヶ岳、自分はたしか行ったことがないのだけど、お袋が兄によく連れて行ってもらったと言っていました。紅葉もいいそうですね。

PEとおもりの考察すごいですね。こうして数字で表現できるのがすごいなーと思ってしまいます。

今、カヤックをやっている人たちで細いPEを使うのが流行っています。自分もそうなのだけど、1.5号で300mなんて形ですね。たしかにこれ位だと200mでも40号の錘で底が取れたりします。
ダイワのフィールドテスターかな? 村越 正海という人も0.6号でオニカサゴを釣るなどの記事を書いていて、極細PE推進者のようです。(東海大学海洋学部海洋工学科卒 のりべんさんみたい(笑))

確かに細いと仕掛けがすべて軽くできるので楽ちんですね。

でも反面、自分の今やっているところだと、サメが多いので、ズバズバ切られちゃうことになります。

今のところ3号から4号300mでハリスも8号使えるくらいが、今の釣りの落としどころかなぁなんて考えてます。

糸も錘も考えると深いですね。

umeさん、こんにちは。

PEの登場はここ数十年の釣具の一大革命ですね。
私は昔から重たいビシを使うのが嫌いで乗り合いを敬遠していた理由の一つでしたが、
最近はどこでもライトタックル大流行ですし、
これもPEのお陰ですね。
最初のころは昔の癖で、PEでも5号とかを使っていましたが、
最近は0.8、1号を使うことも多くなりました。

umeさんのパラメータでちょっと計算してみました。
PE3号、ビシ100号で150m道糸を出すと、1ノットの流れの中で角度は約40度と
いう結果になりました。実際には潮速は計ることができませんが、
次回お試し下さい。

こんにちは。

すごいですね~。
そもそも角度を計算するという発想はなかったです。

確かにあの速い流れ、オモリをまず底につけて深さを測ろうにも斜めになるので、これでは自分が出した糸の長さ=水深では全然ありません。

竿からの角度を45度と仮定して糸が45mでているので、ソクラテスじゃなくてアルキメデスじゃなくてピタゴラスの定理を使って水深を計算すると・・・ああ、暗算苦手だからよくわかんないけど、水深はだいたい40mくらいかなー・・・。
などとつらつら考えたことはあります。
(正確には32mくらいですね。ちょっと外れてた。)

こんばんわ
私も数学は得意の方でしたが、最近は数字に弱いです
計算するよりCADで図面を描くようになってから、特にですね
グラフを見てイメージは合っていると思います
只、観音崎の潮の流れが速い時に魚はいないと思います
最初の頃は150号のビシカゴに錘を足して釣った事もありますが
釣れなかったですね、魚がいないと思いました
一年間通って分かった事は60~80号の錘で釣れる範囲を狙う
又は本流を避けて流れの緩む場所を探す
その範囲に魚がいます
そのあたりの事については
走水の斉田ボート店の主人が、釣り人に細かく指示を出して
釣り方を教えていますね
私も教えてもらいました

芋焼酎さん、こんばんは。

この記事を書く中でビシの形に関するいいアイデアが浮かびました。
どこかで試作してくれないかなぁと思ったりしています。

変体ビシっ? じゃなく変形ビシです。
超ロングハリス仕掛けとも相性がいいかもしれません。

たけさん、こんばんは。

この記事に限ってはたけさんのコメントが欲しかったですね。
イメージ合ってますか、お墨付き、心強いです。

でも、そんな時には釣れないよ!
これは実際に釣っている名人にして言える一発回答です。
恐れ入ります。

足を放り出して、時合いを待ち、ここぞという時に集中して釣果をあげる。

居ようが居まいが居ると信じて一日躍起になって釣る私には
なかなか真似ができないです。

ブログをはじめてたけさん他皆さんの記事を拝見するようになり
もう少し賢い釣りをと考えるようにはなりましたが。

追伸 算数は苦手なんですよ。ただ、今帰省中で海に出ずにできることは
こんなことしかないですからね。

エンジニア五目漁師さんの面目躍如ですね^^

こませ真鯛にはまっていたころは、スパンカーとデッドスローを駆使して、

自ら移動する能動的な「浮き」となって、激しい潮波の中、潮流にシンクロして道糸を立てたものです。

潮流に対して自らのボートの速度差の二乗に比例して、コマセは嵐のような海流に持ち去られ、

真鯛の群れはそれを追いかけて遠ざかっていきますので^^;

飛竜丸さん、おはようございます。

飛竜丸さんからいただいたタイラバのお陰で面白い検討ができました。
調べる中で、ビシのもっと良い形についてもアイデアが浮かびましたよ。

手漕ぎボートは軽いので風がない場合にはアンカーを入れずにおけば
流れに同期してしまいますが、
あっという間をポイントははずしてしまいますし、
都度潮上に漕ぐのが大変です。

たけさんがおっしゃってるように、そんな時には無駄に動かないのが
正解のようですね。

こんばんは!のりべんです(^-^)

いやあ、いつか計算してみたいと思っておりましたが、
凄いです!流石五目漁師さんですね!

あ、計算式ですね。のりべんは学生?の時に
その単元は確か取ったと記憶しているんですが…
あまり憶えておりません(笑)

何しろ十数年前の事で…申し訳ありません。
(細かい計算は条件次第で変わりますが、
おおよそ合ってると思われますよ〜(^-^)

今週末ですが、今度は親子3代で計画しております。
が、何処が良いか迷っています。
無難にエンジン付きでちと早いですが、福浦でも良いなと思ってるんです。
でも福浦方面あまり良い情報が入ってきません。
(コッパメジナが入れ食いとか。あまり嬉しくないですね(^_^;)

うーーーん、キス釣りで多賀、伊東ですかね??

のりべんさん、こんばんは。

えっ! そうですか、だったら思い出して真剣にチェックお願いしますよ~。
おっとどっこい、大きな間違いがというのもあるでしょうし、
細かいところではビシの形の単純化やPEのCd値などいろいろ気になっている部分はあるんですよ。


親子三代って、もしかして上のお子様でしょうか。
だとしたら、やっぱり岸近くのキス+早めにあがって海水浴じゃないでしょうか。
伊東ならボート乗り場が海水浴場の隣ですし。

私も今週末はなんとか行けそうです。
でもあっちもこっちもソーダ、サバにシイラですね。
一か八かで伊東のサワラですかね。

はめまして、いつも楽しくまた、興味深く拝見しております。
私も潮が早い久里浜沖の水深50m前後のポイントで沖釣りをしており、実は以前この記事と同じことを考えてました。私は道糸の角度(θ)からタナがどれくらい上がるかを知りたかったのです。
つまり、魚を驚かさないため、アンドンビシのタナを水面から取ることが多く、潮が遅いときはθは0度ですが、潮が早くなってθが30度や45度になったら、タナがどれほど上がるか、つまり、タナを取ったとき道糸がどれだけ多く出るかが、解れば、アンドンビシを海底まで落とさずに済みます。
記事の中の図から、三角関数で計算すれば、同じタナで、道糸の出る量、つまりカウンターの値で正しくタナが取れると考えたからです。
しかし、実際には計算どおりにはならず、実際は計算した道糸の量(カウンターの値)よりはるかに少ないのです。つまり道糸は出てないのです。

たとえば、θが45度であるとすると、同じタナでは道糸はθが0度と比べて、約1.4倍の量が出るはずですが、実際には1.1~1.2倍程度です。

いろいろ考えた結果、潮が早くて、水面で道糸がθの角度になっていても、海底ほど潮の流れがゆるくなり、海底に近づくにつれて、徐々に角度が小さくなっている。つまり道糸は直線ではなく、放物線のような形になり、海底付近ではほぼ垂直になっていると考えると、ずべて合点がいきます。

そこで、お願いがあります。沖釣りではタナ取りが大変重要であります。
潮が海底に近いところでは、潮流が遅くなることを考慮して、θが何度のとき、タナがどれくらい上がるか、解らないでしょうか?
それが解ると、アンドンビシを海底に落としタナを取りなおすことが不要になります。折角近づいてきた獲物を追い払うことなくなります。

清兵衛さん、はじめまして、先の記事を見ていただきありがとうございます。

清兵衛さんがおっしゃる通り、実際の潮流は海面から海底まで一定ということはありませんから
道糸にかかる抗力によって、
上潮が強い時には符号が負の放物線状に、
また逆に底潮が強い場合には逆の放物線状になりますね。

今回の計算では、ビシが重くて、道糸は軽くて細いを前提に道糸が直線になることを条件としました。

清兵衛さんがおっしゃるような状況下で道糸の出方を計算するためには、
私の手に負えそうにはありませんが、潮流の海面から海底までの早さを放物線のような近似式で表現するか
例えば、上層、中層、下層くらいに区分けして潮流を定義することが必要になります。

気象庁あたりでこのようなデータの公表があれば参考にできますが、難しそうですね。

何れにしても、私にとっても非常に興味深いコメントをいただきました。
お役に立てずに申し訳ありませんが、機会があればもう少し勉強したいと思っております。

今後ともよろしくお願いします。

早速のリコメありがとうございます。

久里浜沖で鯛を釣ることがありますが、1mタナが変わっても食わないことがあること、タナを取り直すためにアンドンビシを底まで落とすと食いが止まることなどがあるので、潮の流れとタナの変化が大変重要だと思っていました。
目で見えるのは道糸と水面の角度だけなので、その角度からタナの変化が解れば、都合が良いと思っていました。

お手数をおかけしましたm(__)m
またお邪魔します。
宜しく、お願いします。

清兵衛さん、おはようございます。

おっしゃる通り底立ちをとらずに棚どりするのは流れが強い時には難しいですね。
私自身はそこまでシビアに考えたことはありませんでした。
(だから鯛があまり釣れないのかもしれません)

カワハギのように底を叩いて集める魚もいれば、タイのように用心深い魚もいたりで
面白いですね。

昨日は川奈に行ってきました。
目的のアジは釣れませんでしたが、珍しい魚が釣れました。
またご覧いただければ嬉しいです。

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